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被災者支援や迅速な救命救助を妨げる10の迷惑行為 --- 大田 進

7/13(金) 18:12配信

アゴラ

西日本を襲った今般の記録的豪雨で、死者は150人を超え、依然70人以上が安否不明、約1万人が避難生活を送っており、平成では最悪の豪雨被害となった。行方不明者の捜索活動、重症患者への救命処置、避難者への飲食料をはじめとする物資の迅速な供給のため、24時間体制で奮闘している地元自治体や消防、警察、自衛隊、医療チームなどには敬意を表したい。

ところで、地震や水害など大規模災害発生時には、毎度のことながら、混乱状態にある救命救助現場をさらに混沌に陥らせてしまう数々の迷惑行為によって、迅速な救命救助、被災者支援活動が阻害されるという二次被害が発生する。

今回の豪雨でも発生した、又は今後懸念される10の迷惑行為を取り上げる。

(1)冠水被害で孤立状態の被災者へのヘリコプター取材

今回の豪雨災害では、倉敷市真備町周辺で、多くの家屋が屋根近くまで冠水した。テレビのニュースでは、屋根上で手を振って助けを求める被災者をヘリコプターで中継しながら、アナウンサーが、「被災者の皆さん。助けは必ず来ます。大きな声で繰り返し助けを求めてください」と繰り返していた。

果たして、このアナウンサーは、孤立被災者の救護活動にとって、最大の阻害要因は、取材用ヘリコプターの大音量であることを理解しているのだろうか。助けを求める叫び声が、ヘリコプターの爆音でかき消され、救護が遅れてしまうという被害は、過去にもたびたび報告されてきた。

(2)SNSによるヘルプの拡散

被災者が、「もう限界、早く食料を○○に」「△△に□□が取り残されているので、至急救助してください」といった助けを求めSNSに書き込むと、猛烈なスピードで拡散する。被災地の行政機関や消防本部などには、書き込みを見た遠方の一般人から、「食料を届けたいが、どうすればいいのか」といった相談や、「□□を早く助けろ。行政は何モタモタしているんだ」という怒りの電話が殺到する。

はっきり言って、SNSによるヘルプの書き込みと拡散は、迅速な救助・救援活動の妨げになる愚行である。行政は、限られたマンパワーの中で、優先順位を設定して効率的に活動を展開しているところに、個別の依頼に振り回されて、体系的・効率的な活動が妨げられるからである。

マスコミは、SNSによるヘルプの拡散によって救助された事例があれば、美談として針小棒大に取り上げる傾向にあるが、時として事実誤認のSNSの書き込みによって1人の救助に無駄なリソース投入を余儀なくされ、結果として10名が手遅れになってしまうリスクを熟考すべきである。

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最終更新:7/13(金) 18:12
アゴラ

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