ここから本文です

ベトナムで快進撃の中国企業が「本社は日本」を謳う理由

7/13(金) 6:15配信

ダイヤモンド・オンライン

● 世界を席巻するメードインチャイナが なりを潜めるベトナム・ハノイ

 今や世界の市場を席巻する「メードインチャイナ」。価格の安さはもとより、豊富な種類に競争力あるモデル、そしてすばやい生産体制でその存在感がますます高まっている。

 先進国はもとより、新興国でも中国ブランドは人気だ。例えば、ロンドンのカムデンマーケットでは中国製の衣類がたくさん売られていた。数年前に訪れたバングラデシュの首都ダッカでも、生活雑貨やアクセサリー、衣類や玩具、食品など、人々の生活のあらゆるシーンに中国製品が食い込んでいた。

 「メードインチャイナ」の存在感の高まりは疑うべくもなかったが、興味深いことに、ベトナムの首都ハノイでは「メードインチャイナ」はなりを潜めていた。

 筆者はハノイの旧市街を訪れたが、ここで中国製品の看板を目にすることはほとんどなかった。短い滞在期間ではあったが、目撃したのは中国のスマホブランド「OPPO」の看板だけだった。

 地元資本の大型スーパーマーケット「Vin Mart」の家電売り場で、店員は「チャイナ、ノー」と言い切った。洗濯機はパナソニック、東芝で、白物家電にハイアールはなかった。液晶はLG、ソニー、ドライヤーはフィリップスと、確かに中国家電はゼロだった。むしろ、白物家電では「メードインベトナム」が育ってきており、街中ではホアファット鉄鋼グループ傘下の「Funiki」ブランドの冷蔵庫、エアコン、洗濯機が目についた。

 大型の卸売市場にも足を運んだが、必ずしも中国ブランドの“独り勝ち”というわけではなかった。帽子やバッグは中国製品だが、靴や衣類はベトナム製、サンダルはタイ製など、生産地の多極化が見られた。

 そして何より決定的な現象は、クルマとバイクである。道路を走行する無数のバイクに中国ブランドはほとんど見られない。圧倒的多数が、ホンダやヤマハなどの日本ブランドだ。クルマも同様にトヨタ、ホンダ、マツダが好んで乗られていた。

 これには、ハノイを訪れた中国人旅行者もあぜんとしているようだ。中国語のブログにこんなコメントを見つけた。

 「中国人はメードインチャイナが世界中で強さを発揮していると信じているようだが、現実は違う。外国ではたいしたことないことを思い知らされた」

● ハノイにはチャイナタウンもない

 さて、チャイナタウンといえば、たいていどの国の大都市にもある中国人コミュニティだ。ホーチミン市には、18世紀後半にできたチョロンといわれる中華街があり、50万人の中国人が住んでいるといわれている。だが、ハノイにはそうしたスポットがない。そういう意味では「ハノイは珍しい都市」(かつてハノイに駐在していた日本人ジャーナリスト)なのだそうだ。

 チャイナタウンがないどころか、あってもいいはずの中国の飲食チェーンもない。最近は海外に進出・出店する中国の飲食チェーンも少なくなく、日本では「小肥羊」や「海底撈」のような火鍋チェーンが店舗を増やしているが、ハノイにはこうした人気飲食チェーンもない。表立って「中華料理」の看板を掲げて営業する店すら目にすることはなかった。

1/3ページ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

特集1 製薬 電機 IT…
医療産業エリート大争奪戦
特集2 全国136医療機関リスト付き
不妊治療最前線