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5300年前に死んだアイスマン 食料持参で山に

7/17(火) 18:25配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

追われて山に逃げたのではない

 胃の残留物からわかるのは、5300年前も、繊維、タンパク質、エネルギー豊富な多量の脂肪という、実によく考えられた食事をしていたということだ。「彼らは既に、衣類や狩猟道具を目的に合わせて作る知識を持っていました。これは食事にも当てはまるのです」とマイクスナー氏は言う。「アイスマンが食べたものが、元々準備された食料であったことは明白です」

 ほんの少しの胃の内容物からでも、エッツィの最後の数時間の様子が驚くほど詳しくわかる。「今回の成果は、本当にずば抜けたもので、そうそうない大発見だと思います」と話すのは、米ノースウェスタン大学の生物人類学者で、今回の研究には関わっていないキャサリン・ライアン・アマート氏だ。

 アマート氏は、これまで間接的な方法でアイスマンの食生活を調べるほかなかったことを見てきた。それだけに、今回、直接、胃の内容物を調べられたことに対して「本当に興奮する」と語る。「今回の研究によって、より細部まで理解し、より詳しい議論ができるようになるでしょう」とアマート氏。

 一方で、エッツィがどうして山中で息絶えたのかについて、まだ結論は出ていない。体についたたくさんの新しい傷は、激しく争ったときにできたもので、エッツィは追っ手から逃れて山に駆け込んだという意見もその一つだ。しかしマイクスナー氏は、最後の食事からわかるストーリーは少し違うと言う。「私の個人的な意見ですが、エッツイは最初から山に入る支度をしていたと思います」とマイクスナー氏は語る。

 穀物と肉がそろった食事、そしてシカ皮の矢筒に残った未使用の2本の矢は、エッツィが山に逃げ込み、やむなく獲物を狩って食べて、しばらく後に死んだのではないことを物語っている。彼が死の数時間前に食べたのは、マイクスナー氏が言うところの「念入りに用意された食料の詰め合わせ」だったようだ。

文=MAYA WEI-HAAS/訳=高野夏美

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