ここから本文です

後悔、葛藤、苦悩… 死刑執行されたオウム「井上嘉浩」が綴った獄中書簡300通

7/17(火) 6:01配信

デイリー新潮

つぐなえない原罪

――法廷で必死に自らの罪と向きあってきた井上は、地下鉄サリン事件の実行者で、同じく真っ向から麻原と対決してきた林郁夫(53)に無期懲役が求刑されると、「これからも今まで以上に大地にしっかり自分を据え、歩んでいくのみです」と、こんな詩を書いている。

《 ――自然の意味――
自然は絶えず変化していく
それが自然の姿だから
喜びも悲しみも様々な姿が溢れては消えて行く
そう、何もかも消えて行く、
それが自然そのもの
その闇の存在は、どれもみんな意味をもっている
でも、その意味は知られることなく、過ぎていくのがいつの世も悲しい限り
ただその意味を流れ行く現実に立ち上げていく
大きなやさしさが、生きている原罪をつぐなう道
それは誰かにささやくものではなく、
おのずから、開かれるところに輝くもの(平成10年3月13日)》

《 ――原罪のやさしさ――
日は巡る、苦と悲しみ、共に持ちながら、
日は過ぎ行く、苦しみも悲しみも共に去りながら、
人は生まれ死んで行く、
その輝きはいつどこでもすばらしき存在の慈悲、
生きることの原罪は限りなく深く、
私はその大いなる苦悩にもみくちゃにされている、
でもそれが本当のやさしさなんです。
私はそれを味わって、心を成熟へと誘います。
それが罪人たる存在への償いだから(平成10年3月20日)》

《他人の苦しみを感じられない小さな心は、いつも自分のことだけ考え、
さびしいもの、どんな人でも良いところを持ち、輝いていることの
真実に謙虚にあること、それが私の願いです
自分の苦しみはちっぽけな自分のとらわれにあると知り、
どんな苦しみも矛盾も小さな自分を拭い去ること、それが私の願いです
桜の木々は冬の大地に暖められ、人々の心を安らぎに満たしてそっと散っていく。そのやさしさに涙があふれます(平成10年4月10日)》

《 ――罪――
罪は罪、でもその罪も存在しています。
非は非、その非は強くあります。
でも共にあることで生命は原罪を背負いながら生きている。
その本当の姿を心を開き体得すること、それが罪を償う道、
それを自覚して生きること、それが私の心からのつぐないです。(平成10年5月1日)》

3/6ページ

最終更新:7/17(火) 12:24
デイリー新潮

記事提供社からのご案内(外部サイト)

デイリー新潮

新潮社

「週刊新潮」毎週木曜日発売

「デイリー新潮」は総合週刊誌「週刊新潮」が発信する最新の話題に加え、専任取材班よる綿密な取材に裏打ちされた記事を配信するニュースサイトです。

Yahoo!ニュースからのお知らせ(9月19日)