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高額報酬だけじゃない。ロナウドがユベントスを選んだ本当の理由

7/18(水) 9:40配信

webスポルティーバ

 2018年4月3日、チャンピオンズリーグ準決勝、ユベントス対レアル・マドリード。クリスティアーノ・ロナウドの見事なバイシクルシュートが決まると、トリノ・アリアンツスタジアムを埋め尽くしていたユベントスサポーターは立ち上がり、彼に惜しみない拍手を送った。

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 相手サポーターからの思わぬ賞賛に、ロナウドは少し驚いたようにスタンドを見上げ、そして親指を立てて感謝の意を表した。このとき、彼のなかにある思いが芽生えたとしても、決して不思議ではないだろう。

 ロナウドは常にナンバー1でありたい人間だ。彼の行動はすべて、主役でありたいという動機に裏付けられている。今回のユベントスへの移籍も、最大の理由はそこにある。彼の目標は「サッカーの歴史で一番偉大な選手になること」。幼いころから彼の母親は、クリスティアーノにいつもそう言い聞かせてきた。

 ところが、9年目を迎えるレアル・マドリードでは、その夢を実現するのが次第に難しくなってきていた。

 彼とレアルとの契約は2022年まであった。しかし昨年11月、ロナウドは「契約を更新する気はない」という発言をして、周囲を驚かせた。これより少し前、ロナウドは代理人を通して報酬の増額を要求していた。その夏にパリ・サンジェルマン(PSG)と契約したネイマール、契約を見直したリオネル・メッシの年俸は、ロナウドより高額となっていた。

 サッカー選手にとって、報酬とはダイレクトに評価の高さを示すものである。バロンドールを連覇している自分が誰かの下につくことに、彼は我慢できなかった。しかし、レアルのフロレンティーノ・ペレス会長は彼の報酬アップを認めない。33歳のC・ロナウドはすでにピークを過ぎた選手であると、ペレス会長は考えていたからだ。

 加えて、C・ロナウドの怒りの火に油を注いだのは、そのペレス会長が「うちに来れば主役になれる」などと、ネイマールにラブコールを送ったことだ。これは彼の自尊心を大いに傷つけた。自分に払う金はなくとも、ネイマールに払う金はあるというのか、と。

 こうして彼は、キャリアの最後までプレーすると決心していたレアルから去ることを検討し始めるようになる。

 ただ、このときはまだ、シーズン直後のスピード移籍は考えていなかったかもしれない。彼の決心を促したのはジネディーヌ・ジダン監督の辞任だった。

 レアルのロッカールームは、以前からいくつかの派閥に分かれている。スペイン人グループ、ポルトガル語グループ、非ラテン語グループ……。そのなかには、反ロナウドでまとまっている一派もある。ジダンはそれをどうにかうまくまとめてきたが、もし彼がいなかったら、ロナウドを擁護してくれる存在はもういない。

 ペペもいない今、味方はマルセロとカゼミーロぐらいだ。おまけに、新たにレアルの監督に就任することになったフレン・ロペテギは、つい先日までスペイン代表監督だった人間だ。スペイン代表でもキャプテンだったセルヒオ・ラモスの力がより強固になることは、目に見えていた。

 もうひとつ、ロナウドが移籍を望んだ理由が、スペインでの脱税問題だ。何年にもわたり脱税を繰り返していたとして起訴され、5月には1880万ユーロ(約24億円)の罰金の判決を受けている。その他にもスペインメディアとの不仲があり、ことあるごとに非難されてきたロナウドは、レアルでプレーし続けることが、日に日に重荷になってきていた。

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