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木星に12個の新衛星を発見、1個は「幹線道路を逆走」

7/19(木) 19:04配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

全部で79個、「でも決してありふれた発見ではありません」と研究者

 太陽系の果てにあるはずとされる、新たな惑星を探そうとしていた天文学者たちが、意外なものを発見した。木星の新たな衛星だ。しかも12個も。

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 誤解のないように言うと、これらの衛星は、木星最大にして太陽系最大の衛星であるガニメデとは大きく違う。いずれも直径が1~3キロほどと小さく、不思議な軌道で木星の周りを回っている。

 ほぼ偶然の発見だった。チームが当初調べたのがたまたま木星周辺だったことと、性能の上がった望遠鏡のおかげだ。「素晴らしいことです」と、米カリフォルニア大学バークレー校の惑星科学者、ダグ・ヘミングウェイ氏は言う。「あることを研究する設備が出来上がると、それに伴って予想外の発見があり得るということです」

惑星を追う“パパラッチ”

 木星の衛星を新たに見つけるのは、かなり難しい。いまだに私たちの観測の目をすり抜けているということは、とても小さくて不鮮明ということだ。それほどかすかな点を追いかけるには強力な望遠鏡が必要だが、そうした望遠鏡は往々にして視野が狭すぎて、木星系全体を撮影できない。しかも木星は非常に明るいため、小さな衛星はその輝きでかすんでしまうことがある。

 昨年、米カーネギー研究所のスコット・シェパード氏らの研究チームは、冥王星よりも外側を回っていると噂されていた、はるか遠くの惑星を探していた。チリにあるセロ・トロロ汎米天文台の望遠鏡をその星の方向に向け、小さな光が太陽を周回する軌道を通っていないか調べ始めたのだ。

 その過程で、シェパード氏らは木星が望遠鏡の観測範囲に入っていることに気付き、せっかくの機会を利用することにした。

「使ったのは、数年前に望遠鏡に取り付けられた新しいカメラです」とシェパード氏は話す。「広い領域を探索する速度が大幅に上がったので、木星周辺の全領域をカバーするのに必要な画像は4枚だけでした」

 2017年3月に、新しい衛星10個の存在を示す最初のヒントが現れ(あと2つの衛星候補はその前に発見されていた)、翌月にも再び信号を確認。5月に木星を再観測してようやく全ての衛星が確認された。これにより、木星の衛星は合計79個になった。

 NASAジェット推進研究所のボニー・ブラーティ氏は、「木星から離れた小さな衛星は、多彩な種類がそろっています。すでにたくさん衛星があるところに小さな衛星が加わるのは、ありふれた発見のように思えるかもしれませんが、決してそうではありません」とコメントしている。

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