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中国企業がサッカーW杯でスポンサーの半数近くを占めたワケ

7/19(木) 6:00配信

ダイヤモンド・オンライン

● フランス優勝を祝う記念コインを 受注して沸いた中国の会社

 サッカーの第21回ワールドカップ(W杯)ロシア大会、モスクワ現地時間の7月15日にモスクワのルジニキ競技場で行われた決勝戦は、フランスがクロアチアを4-2で破って、20年ぶり2度目の優勝を果たした。筆者は、家のリビングでテレビ中継を見ていたのだが、競技場内の興奮が伝わってくるようだった。

 しかし、携帯電話で中国のSNS・微信(WeChat)をチェックすると、もう一つの興奮に沸き立っている声があることに気づいた。

 試合が終了する1時間前、雑貨の町として知られる中国・義烏市のある会社に、フランスチームの優勝を祝う記念コインの製造を依頼する注文書が舞い込んだ。フランスチームの優勝できるか言い切れないときに、遠く離れた、しかも自国チームが出場していない中国で、すでにフランスチームの優勝を祝う作戦が始まっていたのだ。

 義烏市ではこの会社だけではなく、さまざまな会社がW杯の特需で盛り上がっている。W杯に参加する国々の国旗だけで、9000万元(約15億1000万円)の受注を受けた。ある会社の経営者は、「社員たちが朝7時から夜10時まで働いていた。月給も1万6000元(日本円にして約26万9000円)以上となっている。仕事はきつかったが、社員たちの士気が高かった」と振り返る。

 「W杯の裏の勝者は義烏の企業だ」

 義烏市のある関係者が、誇らしげに言った言葉が印象に残った。

 フランスチームの優勝で慌てふためいた中国企業もある。厨房器具メーカーの華帝という会社だ。この会社は今回、フランスチームのオフィシャルスポンサーで、6月1日~7月3日の期間中に、「優勝セット」を購入した人について、「W杯ロシア大会でフランスが優勝すれば、指定商品の購入代金を全額返還する」というキャンペーンを大々的に打ったのだ。

 どうやら当初は、フランスが優勝すると想定していなかったもよう。それがまさかの優勝となったため、「返金は約束通り行う」と公式に発言しながら、約7900万元(約13億3200万円)に上る購入代金の返金は「商品券で」と変更するなど、慌てぶりが見て取れた。ただ、同社の株価が7%も上昇したのを見れば、この会社もW杯の“勝者”と言えるかもしれない。

● スポンサーの半分近くを 占めた中国企業

 一方、W杯をテレビ中継で見た世界の人々は、スポンサーになっている中国企業の多さに驚いたことだろう。

 今回、W杯のスポンサーになった中国企業は、4年前の1社から、全スポンサーの半分程度を占める7社にまで増えた。これはW杯史上の新記録だ。

 マーケティング会社Zenithの調査によると、W杯の期間中、中国企業が広告にかけた金額は8億3500万ドル(約943億円)に上り、中国の広告市場の1%を占めている。全体の広告費の総計が24億ドル(約2711億円)だから、中国企業が投入した広告費は40%近くを占め、他のすべての国を抜いている。ちなみに、主催国であるロシア企業が支出した広告費用は6400万ドル(約72億円)でわずか2.1%だ。

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