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廃校で狂乱…UFO飛来の地で翌朝、起きた怪奇〈週刊朝日〉

7/23(月) 16:00配信

AERA dot.

 SNSで「売文で糊口をしのぐ大センセイ」と呼ばれるノンフィクション作家・山田清機さんの『週刊朝日』連載、『大センセイの大魂嘆(だいこんたん)!』。今回のテーマは「位山のUFO」。

*  *  *
 UFOの存在を信じるかどうかは、何かの試金石じゃないかという気がする。

 若かりし頃、車に乗って目的地を定めない旅によく出かけた。行き先表示板が現れる度に、気になる地名の方向にハンドルを切る。宿は予約できないから、飛び込みで泊めてもらうか、車中泊をするのである。

 そんな行き当たりばったりの旅をしていて、岐阜の山中に迷い込んでしまったことがあった。真っ暗な山の中で路肩に車を止めて寝るのは怖い。宿を探して日暮れの山道を走り回っていると、道端に「○×自然の家」という看板が見えた。

 看板の案内に従って走ると、谷間(たにあい)の小さな村の小学校にたどり着いた。玄関の突き当たりに受付があって、老人が座っていた。廃校を宿泊施設として再利用しているらしい。

 事情を話すと、

「泊めてあげますけれど、ここは教育施設だからアルコールは禁止。タバコは受付の前でしか吸えません」

 と低い声で言う。

 教室を改装した部屋でベッドに横たわると、ねぐらを確保できた安堵感がこみ上げてくる。一休みしてタバコを吸いに行くと、老人が話しかけてきた。

「東京からですか?」
「はい、だいたい」
「今夜は、教え子たちが集まっているのですが……」

 聞けば、老人はここが廃校になった当時の教頭だという。今日はたまたま村を出て町に就職した教え子たちが、旧体育館で会合を開いているというのである。

「東京のお客さんと話ができたら、みんな喜びますよ」
「いいんですか?」

 元教頭に連れられて、宿舎から少し離れた旧体育館の扉を開けると、いきなり巨大な甲本ヒロトの顔が目に飛び込んできた。舞台のスクリーンにザ・ブルーハーツのライブ映像を流しているのだ。舞台の前では、数人の若者が音楽に合わせて踊り狂っている。

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最終更新:7/24(火) 12:10
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