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中村憲剛があえて指摘。ロシアW杯で出番ゼロの大島僚太にないもの

7/20(金) 11:20配信

webスポルティーバ

「今日の僚太は、様子見な感じだったね」

 Jリーグ再開初戦、気温19度と涼しい敵地・札幌で迎えた川崎フロンターレは、2-1でコンサドーレ札幌に勝利した。その試合後の、中村憲剛の”大島僚太評”である。

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 大島は、ロシアW杯に挑んだ日本代表に選出され、チームは2大会ぶりにベスト16入りを果たすなど、戦前の予想を覆(くつがえ)す好成績を残したが、個人的には厳しく、つらい大会となった。大会直前までは主力と目されながら、4試合で一度もピッチに立つことができなかったのだ。

 大会後、大島は「これが、今の自分の実力」と淡々と語ったが、その表情には悔しさが滲(にじ)んでいた。

 そんな大島同様、所属チームの”先輩”である中村もW杯で苦しさ、悔しさを経験した選手だ。2010年南アフリカW杯で代表メンバー入りし、チームは今回と同じく16強入りを決めたが、中村自身は決勝トーナメント1回戦、パラグアイ戦でのわずかな出場時間しか得られなかった。

 川崎Fの新旧ふたりの司令塔は、奇しくも同じような経験をしているのだ。

「似ているけど、タッチラインを超えるかどうかの差は、すごく大きいと思う。超えられなかった悔しさは、僚太にしかわからないけど、それは相当なものだと思うよ。俺は(試合に)出たけど、かなりの悔しさがあったからね」

 厳しい現実に直面した大島を慮(おもんばか)って、中村はそう言った。

 中村にとっては、南アフリカW杯における悔しい経験が、その後の成長につながる大きな糧となった。大島に期待されるのは、同様の飛躍である。ロシアW杯での悔しさを晴らすためにも、4年後のカタール大会へ向けてリスタートとなるこの日の札幌戦では、大島のプレーぶりが注目された。

 はたしてこの試合で、W杯前の大島との”違い”は見られたのだろうか。中村はこう語った。

「W杯前との違い? う~ん、もともとすげぇからね、あいつは。(W杯に)行く前からすごかったから。何でもできる選手だからね。

 今日は久しぶりの試合だったんで、”自分が”というよりも、前線の選手をうまく泳がしながらやっていた。ただそれは、それだけの余裕があるからできること。W杯前と何が変わったかというと、正直まだわからないけど、あの経験はあいつの今後のモチベーションになるよ。俺がそうだったもん」

 中村が言うとおり、この日の大島は無理をせず、試合での自分の感覚を呼び戻すような感じでプレーしていた。W杯での悔しさをプレーに転化し、凄みを見せるのはもう少し先のことかもしれない。

 大島がロシアで苦しい時間を過ごしていた頃、日本にいた中村はロシアW杯を見て、世界のプレーを堪能していた。そして、いくつもの試合を観戦しているなかで気づいたのは、必ずしもボランチがゲームを作っているわけではないということ。そうしたスタイルは薄れつつあって、ひとつの新たな傾向が見られたという。

「優勝したフランス(のボランチ)には、(ポール・)ポグバと(エンゴロ・)カンテがいて、じゃあゲームメーカーは?っていうと、(アントワーヌ・)グリーズマンがやっていた。ボランチじゃない選手を、無理にボランチにしたり、ゲームメーカーにしたりしていなかった。

 その国にいるタレントありきというか、いる選手を(その選手に合ったポジションで)そのまま使って、その個性を100%、出そうとしていた。

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