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ドイツに盾突く「東欧の小国」がここまで強気でいられる理由

7/20(金) 11:00配信

現代ビジネス

独仏に対する冷めた目線

 今、EUの新興国、ハンガリーとポーランドが面白い。彼らの特徴は、現実主義。つまり、偽善にも勘違いにも陥らないこと。そして、両国ともかなり強権的な政権に率いられていることだ。

 現在、ドイツやフランスなどEUの中心国は世界を善悪に分け、自分たちは善であり、民主主義の守護者であるというスタンスを崩さない。彼らによれば、プーチン露大統領は、民主主義を脅かす悪者。それは、ソ連時代から未だに変わらない。

 昨今は、それに加えて、以前は味方だったはずのアメリカ大統領までが悪者となっている。そしてEU主要国の首脳は、自分たちこそが、その邪悪な権力者たちから世界を救う英雄であるかのような言動を繰り返し、酔いしれている。

 ところが、よく見ると、おなじEU内でも、そういう自己礼賛には乗らず、偽善的な言動も極めて少なく、ドイツやフランスの姿を冷めた目で眺めている国々がある。その筆頭がハンガリーやポーランドだ。最近は、そこにイタリアやオーストリアといった、新しいタイプの首脳に率いられた国々も加わり始めた。まことに興味深い。

 ポーランドもハンガリーも、ソ連の軛を離れてすでに27年。小国でありながらも、過去に大国であった記憶が鮮明に蘇ったのか、堂々たるスタンスだ。

 彼らは理想の香りに包まれた夢など見ない。現実を見極め、大国に呑み込まれないよう用心怠りない。万人の人権も大切だが、それはまず、自国の平和と繁栄があってこその話だと思っている。

 ハンガリーやポーランドと、EUの大国の方針がはっきりと分かれたのは、難民問題においてだ。

 2015年の夏、ドイツ政府が難民に国境を開いたとき、彼らは呆気にとられた。しかも、ドイツ国民がそれを「refugees welcome!」と叫びながら熱狂的に応援したのには、信じられない思いだった。彼らにしてみれば、誰が、どこから、何人、自国に入ってくるかを管理するのは、主権国の重要な任務の一つであるからだ。

 その後、難民問題は歯止めが効かなくなり、メルケル首相は、イタリアやギリシャに溜まってしまっている膨大な数の難民を、EU各国が手分けして引き取るべきだと主張するようになった。もっともこれには多くの国が口では賛成しながら、行動が伴わなかったため、不発に終わったが。

 そんな中、口でも賛成せずに、最初からはっきりと拒否してきたのが、ハンガリーやポーランドだった。彼らは、自国がマルチ文化の国になることなど、端から望んでいない。

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最終更新:7/20(金) 11:00
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