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日本人に嫁いだ黒人女性が得た幸せな気づき

7/20(金) 6:00配信

東洋経済オンライン

 正真正銘のニューヨーカー、生粋のクイーンズガールだったタラ・カミヤさん。だが寿司職人との運命的な出会いにより、現在は和食レストランのマネジャーとなった彼の妻として、そして彼との3人の子どもを持つ母親として名古屋で暮らしている。

タラさんのウェディングドレス姿

 実はタラさんも、おむつ交換と保育園と幼稚園の送り迎えの間をぬって続けたブログに人気が出て、すでに自らのオンラインビジネスでも成功している。できれば別の機会にでも、ニューヨーク出身の黒人女性が日本でどのように”家事する起業家”へ転身したのか聞きたいが、今回はタラさんが日本人男性との結婚で得た幸せな気づきを紹介したい。

■日本人のパーティに「潜入」

 タラさんに人生の大転機が訪れたのは32歳の時だった。ロウアー・マンハッタンのクラブで友だちと楽しんでいた夜だ。そのクラブにはフロアがいくつかあることがわかり、ほかの階も探ってみようということになった。

 その1つで偶然、個人のパーティに出くわした。参加者の大半はアジア人。それが日本人であると知ったタラさんは「誰か一人と話してみせるわ」とパーティに潜入することを決めた。

 その理由を「それまで一応3年間くらい日本語の勉強をしていたの。日本にもいつか行きたいと思っていた頃よ。だから、本物の日本人と日本語で話すチャンスだと思ったの」とうれしそうに話す。

 パーティ会場ではライブペインティングが行われていたのでそばで眺めていると、日本人の男性が話しかけてきた。「ヨウヘイ(洋平)」と名乗るその男性は、この作品は気に入ったか、とタラさんに尋ね、アーティストは自分の友達だと話す。

 男性のブロークンイングリッシュを聞き、タラさんは日本語で話すチャンスを確信。思い切って日本語で自己紹介をして、記憶にあったほかの日本語も使ってみた。男性はタラさんの学習努力に感心した様子だった。

 「彼は『君は変わった黒人女性だね』って言ったわ(笑)。そして『何か飲む?』って聞いてくれたから『もちろんよ!』って答えたわ」

 ふたりはしばらく一緒に過ごした。お酒を飲み、限られたお互いの語学力を最大限に駆使して会話を楽しんだ。最後のほうになってようやく洋平は、自分がマンハッタンのアッパー・イースト・サイドにある寿司レストランのシェフだと告げた。そして、もしよかったら自分の仕事を見に来ないか、とタラさんを誘った。

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