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市場がついにトランプ大統領を見捨て始めた

7/23(月) 6:00配信

東洋経済オンライン

 米国のドナルド・トランプ大統領の政策や言動は、称賛に値する。世界の市場や世論を混迷させる材料をこれほどまでに投下し続けながら、まったく材料が尽きない。さらに続けざまに投下している。この能力は、開いた口がふさがらないほどの素晴らしさだ。

■米国で湧き上がるトランプ大統領への批判

 最近のニュースの見出しが、もし「大統領 利上げに不満」となっていたら、読者はおそらくトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領のことだと思っただろう。エルドアン氏は「中央銀行に独立性などない」、というそぶりで、国内景気を持ち上げ自分の支持率を高めるために、中央銀行は利下げでもして自分を支えろ、といったような主張を繰り返してきたからだ。

 実際の見出しは「米大統領」あるいは「トランプ大統領」となっているため、そうした誤解は生じなかったが、トランプ大統領の金融政策への「口先介入」をもって、米国の政治がトルコ並みになった、という主張をする人がいれば、トルコに失礼だろう。

 トランプ大統領の迷走ぶりという点では、市場への影響は薄かったが、ウラジミール・プーチン大統領との米ロ首脳会談を巡ってのどたばたが挙げられる。首脳会談時はロシアによる大統領選挙への介入はなかったという主旨の発言を行なったが、米国内での非難が轟轟だったため、翌日には「notを一つ入れるのを忘れただけだ」という、誰も思いつかない独創的な言い訳を繰り出して、正反対の方向に修正した。

 米国内で懸念が広がっているのは、この「前言撤回」だけではない。米ロ首脳会談全般について、どうもロシアに操られているだけではないか、という印象がぬぐえないからだ。

 米国内の外交の専門家などからは、こうした大統領の対ロ姿勢について、非難が寄せられている。たとえばリチャード・ハース米外交問題評議会(the Council on Foreign Relations)議長は、7月16日付のツイッターで、トランプ氏がやっていることはNATO(北大西洋条約機構)や米英・米欧関係を損なうものであり、「アメリカファースト」はまるで「ロシアファースト」のようになった、と語っている。

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