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「体温超え」が18歳未満の子に超危険なワケ

7/23(月) 15:20配信

東洋経済オンライン

 きょう23日は、関東から西では記録的な暑さとなる見込みで、今年最多となる237地点に猛暑日を記録するとの予報が出た。「熱中症には最大限の警戒を」の文字をネットで毎日のように見掛ける。

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■今年の熱波は「未体験ゾーン」

 連日の猛暑を受け日本救急医学会は熱中症予防に関する初の緊急提言を発表。特に子どもや高齢者は熱中症になりやすいとしている。死亡者や救急搬送件数も増加するばかり。「今年の熱波は未体験ゾーン。危機的状況にある」という救急医療関係者の発言がリアルに迫る。

 そんななか、愛知県豊田市で小学1年生の男子が校外学習中に熱射病にかかり死亡した事件は、教育関係者や子育てをする親たちに大きな衝撃を与えた。

 事件発覚後、都内のある小学校では、通常は体育館に児童を集める終業式を教室で着席したまま行った。子どもを通わせる母親は「熱中症の危険を回避してもらえてよかった。何より子どもの命を優先してほしい」と願う。校長らの話は校内放送で流されたという。

 小中学校へのエアコン設置をめぐって住民投票まで行われた埼玉県所沢市では、夏休みに実施予定だった小学生の水泳記録会が中止になった。

 炎天下で、スポーツや活動をやるべきか、やらざるべきか。親たちは迷いつつ、かつてない熱中症の恐怖を感じているようだ。

 これに対し、熱中症研究の第一人者で医学博士でもある早稲田大学人間科学学術院教授の永島計さんは「小学生は体温調節の機能が大人とまったく違う。子どもの熱中症についてもっと正しい知識をもってほしい」と説明する。

 体温・体液研究室で熱中症のメカニズムを追究する永島さんによると、私たち人間には体内の熱の逃がし方は大きく2通りある。

 ひとつは、発汗して汗を蒸発させて熱を逃がす方法だ。体の外に汗を出してくれる汗腺は個人差があるもののおおむね300万から400万個で、数自体は子どもと大人で変わらない。

 体の小さな子どもの汗腺は「密」に存在するが、体そのものが成長しきっていないため実際に有効に働いている数は非常に少ない。このため、水分補給が、大人のように体温調節に対して有効ではない。

 汗腺が有効か、有効でないかは、部位によって「差」がある。たとえば、小さな子どもは頭によく汗をかく。その場合、頭の汗腺が機能しているといえる。しかし、体幹などほかの部位の汗腺は未熟だ。

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