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鎌田大地、ブンデス1年目を終えて。「帰りたい気持ちは一切ない」

7/23(月) 10:31配信

Number Web

 海外に飛び出して活躍できなければ、こう囁かれがちだ。

 Jリーグでやっていたほうが良かったんじゃないの? 海外の水が合ってないんじゃないの? 失敗だったんじゃないの? 

 昨年6月、サガン鳥栖からフランクフルトに移籍した鎌田大地は11月のレバークーゼン戦を最後に出場機会は訪れなかった。公式戦で4試合に出場したのみ。不遇なシーズンだったと言っていい。

 しかし不遇と、成長の停滞はイコールではない。海外挑戦の失敗ともイコールではない。新シーズンに意気込む21歳の鎌田に、憂いの香りは一切ない。

「正直、こんなに苦しむとは」

 「自分がどう見られているかは分かりませんけど、日本に帰りたい気持ちは一切ないです。プロのサッカー選手なので、サッカーがうまくいっていないと見え方が違ってくるのは仕方がない。そういう職業ですからね。

 僕、別に昔から(経歴が)エリートのように来ていないんで、うまくいかないこともいつもどおり。ただ正直、こんなに苦しむとは予想していなかったですけど。僕から見てもフランクフルトにはいいなと思う選手がいっぱいいて、そのレベルの高い環境でやってきた。見ているだけじゃ分からなかったことを経験できています。何とか耐えて、ケガもなく集中してシーズンを過ごせたのは次につながるのかなって感じています」

 成功に向かうためのプロセス。盲信ではなく、あくまで客観を持って自己分析を済ませたうえでの所信である。

 移籍してすぐにチャンスは訪れた。

 リーグ開幕のフライブルク戦でフォワードとして先発出場を果たす。しかしゴールに絡めず、ほろ苦いデビュー戦に終わる。以降、先発に定着することはなかった。

今やれること=筋トレ。

 鎌田はこう振り返る。

 「僕の感覚としては、開幕戦に出させてもらいましたけど、まだチームについていけてるような感覚があんまりなくて、自信を持ってやれているとは言い切れなかった。(シーズン)前半戦の最後のほうから向こうのスピードにも慣れて、練習試合でも常に点を獲っていたんで出場時間も増えてくるかな、と。でも自分の感触とは真逆で、メンバーにも入れなくなった。“なんで? ”とは思いましたよ。でも、やれることをやっておこう、と」

 最後の出場となったレバークーゼン戦ではクロアチア代表FWレビッチにスルーパスを送って好機を演出したものの、ニコ・コバチ監督の評価は上がらなかった。ならば、今足りないものに取り掛かろうとした。

 やれること、とは、すなわち、体を強くすること。

 180cmと身長はあっても、体重は70kg台前半。華奢な体は当たり負けし、筋力トレーニングのテストでも数値は「下から2、3番目のレベル」だった。スプリントにしても、周りと比べて下回っていることも分かっていた。

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最終更新:7/23(月) 11:31
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