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“都落ち”寸前の“かぐや姫”… 「大塚家具」が家賃めぐり訴訟沙汰

7/24(火) 5:57配信

デイリー新潮

 使うごとに味わいが増す代わりに、骨肉の争いが思い出される家具なんて。そう思う人が多いのは容易に想像がつく。結果、大塚家具の台所は火の車。銀座本店の家賃が払えず、かぐや姫こと大塚久美子社長(50)は、都落ち目前だとか。

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 貧すれば鈍すと言うけれど、賃借している本店にドンと構えている余裕は、もはやないようだ。

「大塚家具は3月、10階建ての銀座本店の貸主、三井不動産を相手に、月額9600万円の家賃を7600万円に減額するように求める確認訴訟を起こした。すると翌月、三井側が1億320万円への引き上げを求め、反訴したのです」(不動産業界の関係者)

 ここに至った経緯は、裁判資料によれば概ねこうだ。

 大塚家具が三井不動産との間に、銀座本店の基本協定書を結んだのは2008年7月。引き渡しが10年9月で、翌10月にオープンしたが、その2年間に大きな出来事があった。久美子氏の社長就任と、リーマンショックである。

 久美子社長側は13年、三井不動産に家賃改定を申し出た。リーマンショック以前に決められた家賃は高すぎる、という理屈である。だが、受け入れられず、その後も重ねての要求が受け入れられない。17年には減額を求めて調停が始まったがまとまらず、訴訟と相成った、というわけ。

 なりふり構わぬ姿勢が、大塚家具の台所事情の反映であるのは言うまでもない。経済部記者が言う。

「2017年の決算は純利益が対前年比17・7%減のマイナス72億5900万円、営業活動によるキャッシュフローはマイナス47億8500万円。単純計算で毎月4億円近くが失われ、営業すればするほど赤字が膨らむ状況です。親子喧嘩の末に、久美子氏が社長に復帰した直後は110億円あった手許現金も減り続け、いまや自由に使えるキャッシュは10億円程度だと言われています」

店員のほうが多い

 ま、あの親子喧嘩を見せられれば、という以外にも原因はあるという。家具の業界紙記者によれば、

「家具市場は低価格路線と高級家具の二極化が進んでいますが、そんな中、久美子社長の進める中価格帯路線はいかにも中途半端。21世紀初頭には、大塚家具の年間売上高は700億円前後でニトリを上回っていたのに、昨年はニトリの5720億円に対し、410億円ですからね」

 試みに、銀座一丁目駅からすぐの銀座本店を訪ねると、入口に「60%OFF」のポスターが貼られ、店内には「店頭価格からさらに30%OFF」の表示が。ところが、土曜午後というのに、この破格の大安売りを前にして、客より店員のほうが多いあり様である。

 さて、三井不動産は、

「大塚家具さんと係争中であるのは事実です」

 一方、大塚家具も事実と認め、こう回答した。

「賃料減額については、両者交渉を重ねて参りましたが、当事者間では合意に至らなかったため、公平な第三者の判断にゆだねたものです。借地借家法に基づく適正な権利行使であると考えています」

 さて双方が主張する賃料、どちらが妥当か。不動産鑑定士の降矢等氏によれば、

「銀座は人気の場所だけに、相場があるようでない。裁判では、両社が大手鑑定事務所に頼んで出した、合理性のある鑑定書の妥当性を争うことになるでしょう」

 いずれにせよ、かぐや姫に、いまの家賃が高すぎることだけは間違いない。客の集まらない本店を捨てて都落ちも近いか。だが、都で売れないものが地方で売れるとも思えず……。

「週刊新潮」2018年7月19日号 掲載

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最終更新:7/24(火) 10:46
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