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ハーバード大学名誉教授が答える「勉強しなければならない理由」

7/30(月) 13:00配信

現代ビジネス

クリエイティブな発想をするためには

 新しいものを創り出したり、クリエイティブな発想をするためには、「まずは自分で考えてみること」が大事です。

 アメリカに来て驚いたことの1つに、質問をした際の教授の対応の違いがありました。学生の質問に対して答えが、どの本に書いてあるから読みなさいとか、あの本を調べなさいという答えではありませんでした。

 「では、一緒に考えてみよう」

 と、質問した問題に向き合ってくれるのです。まずは自分で考えるという姿勢なのです。学問に対する姿勢ともいえます。

 アメリカで研究する中で、この姿勢が自然と身につきました。アメリカから日本に帰ってきた時も、京都大学時代の教授に、「お前、変わって帰ってきたな!」と驚かれたほどです。自分で考えてみるというクセがつき、数学の問題に対する姿勢が変わっていたのです。

 数学でも他の学問でも、本を読むことによって新しい知識を吸収し、蓄積することができます。ただし、学んで知識を蓄えるだけでは、常識的なレベルの問題しか解けないことになってしまいます。

 誰もがびっくりするような発想を思いつくためには、言葉をかえていうと、クリエイティブな発想をするためには、何事にも、まずは自分で考えてみる姿勢が必要なのです。そのような姿勢で物事に向かえば、今まで誰も考えつかなかった新しい方法に出会う可能性があるのです。

 ハーバードの大学院にいた時に、ポーランドから来た教授によくいわれたのが、

 「歩き回ればつまずく。新しい発想、新しい考え方、新しい見方につまずくのだ」

 ということでした。机で考えているばかりでなく、歩いてみれば、何か新しいことにつまずくのです。

 そして、そういう種類の人間が大勢いる中で作業することが重要なのです。

 私は、ハーバードでの大学院時代、ザリスキー門下の同僚たちと議論する中で、クリエイティブな発想をするための態度が身についたと思っています。

 まずは、自分で考えてみる。

 この態度がとても重要なのです。

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数学者が語る「考えること・学ぶこと」
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広中平祐氏の自伝的数学啓蒙書。「学問とは何か」「学ぶとはどういうことか」「数学とは何か」など、数学や科学するときの最も大切な基本姿勢を教えてくれる1冊。広中平祐氏が特異点解消問題を解決して、1970年にフィールズ賞を受賞した経緯にも触れられています。
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広中 平祐

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最終更新:7/30(月) 13:00
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