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俳優・菅田将暉が明かす音楽活動への想い 「自分ができる最大限をやるしかない」

8/2(木) 7:40配信

コンフィデンス

 同世代俳優では随一の実力を認められるなか、アーティストとしても活動する菅田将暉。日本テレビ系ドラマ『トドメの接吻』主題歌の3rdシングル「さよならエレジー」は、楽曲配信やサブスクリプションサービスを中心にロングセールスを記録中。8月1日には、8月3日公開の劇場版アニメ『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE -2人の英雄-』主題歌である4thシングル「ロングホープ・フィリア」を発売。同作のカップリング曲「ソフトビニールフィギア」は、自ら作詞作曲した意欲作。俳優、アーティストとして意欲的に順調な活動を続けるなか、表現への自由度も高まる一方、昨今の報道やSNSでの反響を通して菅田が感じる“芸能人の立場”への想いも語る。

【写真】澄んだ瞳で見つめる菅田将暉

◆頑張っている自分を中高生に見せることが今の僕の使命

 ドラマ『トドメの接吻』主題歌の3rdシングル「さよならエレジー」がロングセールスを記録している菅田将暉が、4thシングル「ロングホープ・フィリア」をリリースする。同作は8月3日公開の劇場版アニメ『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE -2人の英雄-』であり、さらなるリスナー層の拡大が期待される
「『僕のヒーローアカデミア』は連載当初からずっと読んでいました。はじめの頃は泣いてばかりいた主人公のデクが、今回の劇場版ではみんなを助ける立場にまで成長します。そのタイミングでこの作品に関わらせていただいたことに、どこか自分自身の状況の変化と重なるものを感じています」

 楽曲を提供したamazarashiの秋田ひろむは、「主人公が強い憧れを抱くヒーロー・オールマイトの視点に近い歌詞」であると語っている。
「秋田さんは僕とデクがどこか似てるとおっしゃるんです。なのにオールマイト目線で歌詞を書いてきたということは、何か課せられているような気がしていて。芝居の現場では年下の助監督も徐々に増えて、僕の出演作を見てうちの事務所の門を叩いてくる若い子もいて。『菅田くん』ではなく『菅田さん』と呼ばれることも増えましたしね。だけどラジオでは相変わらずリスナーの中高生に『お前』呼ばわりで毎度イジられてる。でもそれが僕がやっていきたいことでもあって。お前らと同じ目線でいる奴俺が、表ではこんだけ頑張ってるんだぞという姿を見せること。それがいわばデクとオールマイトの中間くらいの立ち位置にいる、今の僕の使命なんじゃないかと思ってるんです」

 幅広い役を演じ分け、同世代俳優では随一の実力を認められる一方で、昨年より本格的に音楽活動をスタート。俳優業とは関わりのないところで、映像作品に楽曲を提供するのは本作が初だ。
「最初は悩みました。もっと適した人がいるんじゃないかと、やっぱり考えてしまいます。それでも『ヒロアカ』を誰よりも愛して考えている制作者の方々が出した結論だったとしたら、自分ができる最大限のことをやるしかないなと。楽曲作り云々といったことは秋田さんが整えてくださったので、僕が大事にするべきなのは、そこにいかに思いや感情を載せるかだと考えて歌わせてもらいました」

◆“芸能人の立場”について言及「自由に表現していい」

 さらにカップリングの「ソフトビニールフィギア」では作詞作曲も務めており、音楽アーティストとしての表現にもさらに深く踏み込んでいる。
「誰かに提供を頼むこともできたんですが、個人的にどうしても表題曲に追随するテーマの曲にしたくて、レコード会社の担当さんに作らせてもらえませんか? とお願いしたんです。歌詞の表面やパッと聴いた感じだけではどこが表題と繋がってるの? と思う人もいるかもしれないけど、今はリスナーや視聴者の目や耳がずいぶん肥えていて、作品の裏テーマみたいなものを読もうと腐心する人もけっこういる。そういう人たちが面白がって謎解きしたくなるようなものを作ってやろうと、曲の中にいろんな仕掛けを仕込んでみました」

 歌詞のストーリーは男性サラリーマンがふと街中で入ったフィギュア展に童心を思い起こすというもの。しかし菅田いわく、テーマは「男の小さなプライドと正義」だという。
「生きていると苛立つことっていっぱいありますよね。だけどそこでSNSに文句を書きなぐったり、それもいいんですけど、幸いなことに僕はエンタテインメントという表現の場にいる。その立場を利用して、表現によって感性の近い人と繋がれるほうが面白いと思っているんです」

 「ソフトビニールフィギア」は、今年2月の1stライブツアーで演奏を務めたサポートメンバーたちと共に完成させた。またロングヒット中の米津玄師とのコラボレーション曲「灰色と青(+菅田将暉)」をはじめ、3月リリースの1stアルバム『PLAY』でもさまざまなミュージシャンと協業している。菅田は「本業=幹はあくまで俳優業で、そのほかの活動は枝葉」であると言う。しかし枝葉がますます太く育っているのも事実。その根底には汲めども尽きせぬ創作と表現への意欲があるようだ。
「洋服作りなんかもそうだけど、音楽活動は俳優業と比べてゼロから1を生み出す作業が多く、自由度が高いと言えます。だけど自由であるというのは、とてつもない労力と責任を伴うものでもあるとも感じています。ただ幸いにも憲法には“表現の自由”という文言があって、それがために僕らは週刊誌に追いかけ回されたりもするんですが(笑)。だったらこっちも自由に表現していいじゃないかと、そうやって面白がりながらものづくりをする機会を増やしていけたらと思っています」

(文/児玉澄子 写真/西田周平)
[7月30日号 コンフィデンスより]

最終更新:8/6(月) 14:41
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