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大阪北部地震の対応でも大反響 「ぬいぐるみ病院」が人々を泣かせ支持される理由〈dot.〉

8/4(土) 11:30配信

AERA dot.

「ぬいぐるみ病院のある大阪で地震がありました。最初かなり揺れて患者様も驚かれましたが、今、全員の無事を確認いたしました!患者様は全員ご無事です。ご家族の皆さまご安心ください。引き続き患者様にずっと付き添いお守りいたします。」

【治療を受ける前と後はこちら】

 大阪北部地震が発生した2018年6月18日、震源地に近い大阪府豊中市にあるぬいぐるみ専門の病院「ぬいぐるみ病院」のスタッフが、地震の発生からしばらくして病院の公式ツイッターに、こんなつぶやきを投稿した。

 投稿には、「皆さんご無事で良かったです!!」「安心しました」などとぬいぐるみやスタッフらの無事を喜ぶコメントが続々と寄せられた。18年7月現在、5000回以上リツイートされ、1万件以上の「いいね」がついている。

 病院によると、地震発生後、落ちたり、崩れたりした物が散乱する中、スタッフはすぐさま入院中の“患者”(ぬいぐるみ)ら全員の無事を確認。ツイッターや病院のホームページ、フェイスブック、インスタグラムで報告した。入院中や入院を予定している患者の家族ら100人以上には、直接無事を知らせるメールを送った。家族やぬいぐるみを愛する人たちを思っての行動だったが、多くの反響を呼んだ。

 ぬいぐるみ病院の理念は「がんばれ!ぬいぐるみ」。家族と長い時間を過ごして「愛され色」になったり、体がへこんでしまったり、手足がとれてしまったりしたぬいぐるみを“患者”として受け入れている。患者の“診察”や“治療”だけではなく、ぬいぐるみの肌専用のシャンプー・トリートメントエステや、スタッフによる添い寝といったきめ細かいサービスが人気を集めている。

 2015年6月の設立当初は、3人のスタッフで細々と運営し、月10体ほどの患者を受け入れていた。だが、16年3月、ぬいぐるみと暮らす家族の心に寄り添ったサービスがヤフーニュースで大きく取り上げられた影響で、入院希望が殺到。病院を運営する「もふもふ会」理事長、堀口こみちさんによると、これまでに約4000体を受け入れたが、まだまだ治療を望む患者は多く、現在は入院まで1年待ちだという。

 なぜ、病院を設立するに至ったのか。「子どものころからぬいぐるみが大好きだった」という堀口さん。小学1年のクリスマスにプレゼントされたハムスターのぬいぐるみに「スピカちゃん」と名付け、いつも一緒に過ごした。「引っ込み思案で不安を感じやすい性格だった私にとって、スピカちゃんは心の支えでした」と振り返る。

 しかし、3、4年経ったある日、スピカちゃんは急に堀口さんの腕の中からいなくなってしまった。「大人になってもぬいぐるみと過ごすのではないか」と心配した母親の愛ゆえの行動だったことを知ったのは、だいぶ後になってからだ。「当時は自分では理解できていませんでしたが、心の支えを失い、とても寂しく不安な気持ちになりました」(堀口さん)

 その後、社会人となり、24歳で大学に入り直した堀口さんを、ある時、悲しい出来事が襲った。その影響で心が壊れてしまい、食事がとれなくなり、眠ることも、笑うこともできなくなった。

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最終更新:8/4(土) 11:30
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