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あなたは飲める? スウェーデンの「下水ビール」 国内外で反響呼ぶ

8/4(土) 11:30配信

Forbes JAPAN

多くの人が愛するビールだが、1パイント(約470ミリリットル)を製造するのに約76リットルの水が必要なことを考えると、環境に優しい飲み物とは言えない。だが皆さんは、いくらサステナビリティー(持続可能性)のためとはいえ、浄化された下水で作られたビールを飲めるだろうか?

スウェーデンのビール製造企業ニーヤ・カーネギーブリゲリエット(Nya Carnegiebryggeriet)とスウェーデン環境研究所(IVL)、カールスバーグ・スウェーデンはこのほど、同国初となる「リサイクル水」から作られたビール「PU:REST」を発売した。

このコンセプトの生みの親は、IVLで上級プロジェクト開発者を務めるスタファン・フィリプソンだ。IVLはスウェーデン産業界・政府が出資する非営利団体で、約50年にわたり下水処理技術の開発に取り組んできた。フィリプソンは、安全できれいな水の価値についての人々の意識を向上し、下水も飲み水になることを示すためのクリエーティブな方法を模索していた。

数カ月にわたるブレーンストーミングを経て、フィリプソンとIVLのチームは、高度に浄化された下水を食品製造に使うアイデアを思いついた。実現性には自信があったものの、必要だったのは、この案を実行に移す意欲のある食品メーカーを探すこと。フィリプソンが連絡を取ったのは、カールスバーグ・スウェーデンが米ビール製造企業ブルックリン・ブルワリーと協働で設立したビール醸造企業、ニーヤ・カーネギーブリゲリエットだった。同社は過去にも、環境に優しい材料を使ってビールを製造していた。

ニーヤ社も多くの人と同様、最初は懐疑的な反応だった。特に気にかけていたのが、衛生面だ。この懸念はフィリプソンが予想していたことだった。フィリプソンは、IVLがどのような技術を使い、下水を「飲用水道水と同じくらいきれいな水」に変えているかを説明した。

下水はまず、有機物質を分解し、バクテリアやマイクロプラスチック、寄生虫を取り除くため、従来型の排水処理に使われる生物学的処理に加え、限外ろ過膜を使用した膜分離活性汚泥法(MBR)でろ過される。次に、非常に目の細かい逆浸透膜に通され、化学物質はほぼ100%除去される。

さらに、活性炭ろ過器を使って残留医薬品成分や、高濃度で有毒になり得るパーフルオロアルキルスルホン酸(PFAS)などの有機物質を除去する。最後に、ここまでの工程で万が一バクテリアが残っていたときの安全網として、ろ過された水は紫外線(UV)にさらされ殺菌処理される。

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最終更新:8/4(土) 11:30
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