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エンジニアという「特殊能力者」、今後どう扱うべきか?:全産業で問われる難しい問題

8/11(土) 7:10配信

DIGIDAY[日本版]

本記事は、米国で数多くのベンチャー企業の提携支援経験を持つ、Blueshift Global Partners社代表の渡辺千賀氏による寄稿です。

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ここ5-6年、IT以外の業界の方がシリコンバレーに来ることが増えた。そしてみなさん一様にGoogleのキャンパスを見て驚く。メディアに出てくるGoogle本社は低層で地味な建物なので写真で見ても威圧感がないが、実は、東京の小さめの区一つ分くらいは優にある広大な面積に、あの手の建物が何十棟もあるのだ。

「Googleの社員は8万人以上」というと、びっくりする方も多い。

「いったいその人たちは何をしているんですか?」と、聞かれたこともある。

実際にキャンパス周辺を歩くと、勤務時間内でもGoogleカラーの自転車で走り回ってる人や、パラソルの下の屋外テーブルで飲み物を片手に語り合う人たちがそこかしこにいる。しかも、3時を過ぎると、もう帰宅用のバスに列をなして乗り込む人たちが出始める。そしてその社員は一様に若く、服装も大学生とほとんど変わらない(ちなみにシリコンバレーでは最近「短パンにサンダル」が「普通の仕事着」化しており、ジーンズは「お客さんに会う時の服装」という会社も増えた)。日本の勤務環境に慣れた方々には衝撃であろう。さらに電気自動車用の充電器がある社員用駐車場の一角にはテスラ(Tesla)の高級モデルが並ぶ。

「ここはエグゼクティブ専用ですか」と聞く、日本の方もいたが、別にそんなことはない。

ソフトウェアエンジニアというのは、(日本の感覚では)それほど長くない就業時間で、仕事中にぶらぶらと自転車に乗ったりして、しかも、たくさん給料をもらっている人たちなのだ。

なぜ、Google(やその他多くのシリコンバレーIT企業)は社員をそこまで優遇するのか。

それは「ソフトウェア企業では、コードを書く人たちが製造ライン」だからだ。

彼らがいなければ製品ができない。そして製造ラインは、常にメンテナンスして最良の状態で動くようにするのが当然のことだ。疲れたらリフレッシュできるようにし、やる気を削がないよう、バラエティに富んだ社員食堂を3食無料にし、通勤が少しでも楽になるようにと、わざわざ欧州から輸入した高級バスを数百台、四方八方に走らせる。それもこれも「社員の頭脳」がそのまま「製造ライン」なのだから仕方がない。

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