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若手が辞めない会社の法則 入社前から手を打つべし!

8/15(水) 16:03配信

日経BizGate

 仕事内容が合わなかったのか、労働環境が不満だったのか、上司や先輩との関係が問題か、それとも給料が…? 若手社員が去る会社の問題は一体どこにあるのでしょうか。なかなか聞くことのできない退職者の本音を、インタビューから探り出し、社員を定着させるための職場づくりについて、人事担当者・経営者の声からヒントを示します。

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採用のポイント~入社してから対策していては遅い

 リテンション(定着・引き留め)と採用との関係を見てみましょう。

 リテンション効果がある採用方法として「現実的職務予告」(Realistic Job Preview:RJP)があります。

 現実的職務予告とは、採用前の志願者に対してその組織に採用された後、どのように働くかについて明確に伝えることを言います。

 具体的には採用後、多くの人が経験することについて、ネガティブな面も含めてすべて志願者に伝えること。志願者が入社前に非現実的に高い期待を持っていたとしてもそれを抑え、入社後感じるかもしれない幻滅体験を抑える効果(ワクチン効果)があるとされています。

 現実的職務予告は、リテンションに対して、どんな効果があるのでしょうか。

 労働政策研究・研修機構(2007 若年者の離職理由と職場定着に関する調査 JILPT調査シリーズNo.36)によると、現在の会社に就職する際の情報の入手状況別に、転職したいと思うことが「しばしばある」と回答した人の割合は、「十分入手できた(12.7%)」→「ある程度入手できた(20.0%)」→「あまり入手できなかった(34.5%)」→「ほとんど入手できなかった(53.6%)」となっています。

 つまり、「情報量が少なかった人ほど、転職を考える割合が高い」という結果が如実に表れていると言えます。

包み隠さず開示することが必要

 この調査を踏まえて考えると、社員の定着のためには、入社後多くの従業員が体験するようなことについては、ネガティブに受け取られがちなものも包み隠さず開示することが必要なようです。

 入社前に職場の実態を知ることである程度の心の準備ができるため、実際に就労するなかで苦労があった場合も組織への信頼関係が損なわれることは少ないようです。

 実際に、海外では、こんな研究結果があります。

 古い研究ですが、電話交換手の募集をかける際に、募集時に流す映像を「良いことばかり並べているもの」から「より現実に即したもの」に変更したそうです。そうすると、入社後の退職率が低下したという事例が見られます(Wanous, J.P. 1975 Tell it like it is at realistic job previews, Personnel, 52, 50-60.)。

 また、「現実的職務予告」が退職に与える影響を調べた13件の調査のうち、9件で一定の防止効果を示しました(Wanous, J.P. 1991 Organizational entry: Recruitment, selection, orientation, and socialization of newcomers. 2nd ed. Reading,MA: Addison-Wesley.)。

 このように欧米を中心としたこれまでの調査結果では、採用過程における現実的職務予告は、一定のリテンション効果があることが明らかにされています(2009 山本寛『人材定着のマネジメント――経営組織のリテンション研究』中央経済社)。

 わが国でも、あるシロアリ駆除会社の例が注目されます(2003 ホンネを引き出せ! 今年の就職戦線 特報首都圏NHK 2003年2月28日放映)。

 この会社が大卒者を採用し始めたばかりの頃の会社案内では、「エコロジー」「住環境改善」などが募集文面で強調され、「数十センチの高さしかない床下に入り、シロアリを駆除するなどのきつい仕事を経験してもらう」ことは記載していませんでした。その結果、入社1年以内の社員の半分近くが辞めるなど、入社前に実状を知らなかった大量の社員が辞めていきました。人の手による作業が多く、そうした経験の蓄積が重要な会社だけに大量の離職者は大きな痛手だったのです。

 そこで、同社では採用方針の大転換を行いました。すなわち、入社する前の応募者に実際の業務の様子を動画で見せるなど、「現実的職務予告」に重点を置いた採用を行った結果、退職者が減るだけでなく業績も向上したのです。

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最終更新:8/15(水) 16:03
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