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池田“やまびこ打線”はなぜ、PLの1年生・桑田真澄に翻弄されたのか【夏の甲子園100回! ベストシーン】

8/17(金) 7:00配信

文春オンライン

KKコンビが甲子園に初登場

 この年のPLは、前年センバツの優勝校ではあるが選手が入れ替わり、二人の1年生が中心となっていた。桑田真澄(元巨人)と清原和博(元西武ほか)。のちに「KKコンビ」と呼ばれた二人である。清原は入学直後から主軸に座り、夏の大阪府大会で打率4割の2本塁打。不動の4番打者となっていた。桑田も府大会に背番号17番でベンチ入りし、先発に起用された試合で好投。甲子園では背番号11番ながらも実質的なエースとして、初戦の所沢商戦を5安打2失点に抑えた。以降の試合もほとんど先発を任されていた。1年生がエースと4番。それも池田の油断を生み出す要素となっていた。

レフトスタンドへ飛び込んだ桑田の一発

 1回表、池田は二死から3番江上、4番水野の連続ヒットで先制のチャンスを作る。ここで5番吉田衡がセンターに抜けるかという痛烈な打球を飛ばすが、桑田が素早い反応でグラブに収め一塁送球アウト。立ち上がりを無失点で切り抜ける。のちに桑田が「あれが抜けていたら、歯止めが利かなくなって大量点を取られていた」と振り返る、大きなプレーだった。

 2回裏、PLの攻撃。一球の判定をきっかけに試合が動く。二死一塁で、7番小島一晃にカウント2―1から水野が投じた外角低めのスライダー。球審の判定は「ボール」。自信を持って投げた球を取ってもらえず、水野の顔色が変わった。カッとなって投げた次の球が甘く入った。ライト線の二塁打で1点を先制される。頭に血が上った状態で迎えたのが8番桑田。ここでも追い込んでから投げたストレートがシュート回転して内角に。中村監督からの「内角球は思い切って引っ張れ」という指示を実践した桑田がバットを振り抜くと、打球はレフトスタンドに飛び込んだ。

 続く9番住田弘行にも追い込んでからのスライダーをレフトラッキーゾーンに運ばれ、連続本塁打でこの回4点。3回にも5番朝山憲重のライト前タイムリーで1点を追加し、4回には7番小島のソロ。公式戦で一度も本塁打を打たれたことがなかった水野が、1試合3本の被弾にマウンドで憮然とした表情を浮かべる。前半5回を終わって0-6。誰も予想しなかった展開となった。

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最終更新:8/17(金) 8:39
文春オンライン

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