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池田“やまびこ打線”はなぜ、PLの1年生・桑田真澄に翻弄されたのか【夏の甲子園100回! ベストシーン】

8/17(金) 7:00配信

文春オンライン

桑田の投球数はわずか102球だった

 だが水野だけでなく、池田にとっても、どこか運に見離された試合だった。4回には併殺で走者がいなくなった後に6番山田達也が二塁打。6回にも無死一、二塁のチャンスで水野に打順が回るが、ここでも初回と同様、ヒット性の打球を桑田に巧く捌(さば)かれ投手ゴロ併殺。この試合、池田は3つの内野ゴロ併殺を記録している。桑田のフィールディング技術もあるが、いずれも強烈な打球が野手の正面に飛んだものだ。

 気持ちが切れてしまったかのように、池田は終盤7、8、9回、いずれも三者凡退で攻撃を終え、桑田に完封を喫する。この年の池田が公式戦で完封されたのは初めてのことだった。桑田の投球数はわずか102球。許したヒットは5本。試合時間はわずか1時間25分。常に速いテンポで投げ込み、池田打線を翻弄し続けた。

 3連覇を阻まれた池田の甲子園連勝記録は15でストップ。甲子園で経験する初めての敗戦に、池田の選手たちは試合後の相手の校歌を聞くとき、どこに並んでいいのかわからずに戸惑ったという。しかし、蔦監督は試合後もどこか淡々としていた。勝ち続ける中、「この子らの人生のためには、どこかで負けたほうがいい。それも水野が打たれる形で」と漏らしていたことがあった。はからずも、その言葉通りの結末となったことになる。

矢崎 良一

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最終更新:8/17(金) 8:39
文春オンライン

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