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大会ナンバー1投手 金足農業・吉田輝星よ「大学なんか行かないでプロを目指せ!」

8/18(土) 7:20配信

FRIDAY

 夏の甲子園100回大会で誰より株を上げたのは、秋田の公立校である金足(かなあし)農業のエース・吉田輝星(こうせい)だろう。150キロに迫る直球と多彩な変化球で1回戦の鹿児島実業戦で14個、2回戦の大垣日大(岐阜)戦では13個の三振を奪い、一躍、甲子園の怪物となった。吉田が157球を投げきった1回戦の翌々日、本誌は花園ラグビー場近くの野球場で練習する彼を発見。終了後、直撃インタビューを実行した。

夏の甲子園 歴史に残る名勝負の舞台裏 当事者たちが語った“秘話”

「目標は全国制覇。これからの相手は、いままで経験したことがない強豪校ばかり。試合の序盤から、体力を使い切るくらいの投球をする覚悟です」

 MAX150キロの直球以外にも、打者や状況によって3段階の“ギア“を入れ替える、頭脳派の投球術が注目されている。

「走者のいない時に投げる138キロから142キロの直球がギア1で、球威よりも制球重視。走者を背負ったギア2が、143キロから146キロぐらい。得点圏に走者を置いた状況で相手の4番とか、マークしていた選手と対戦するとなれば、それはもう、150キロのギア3になります」

 吉田の理知的な解説を聞いていて、脳裏に浮かんだのは大人気マンガ『ワンピース』だ。主人公のルフィは、相手の強さやピンチの度合いによってギア2、ギア3と自身を強化し、戦いを挑(いど)んでいく。

「ルフィ投法? アハハハハ、ぜひそう呼んでください!! ただ、自分が好きなマンガは、どちらかというと『ドラゴンボール』や『トリコ』です(笑)」

 吉田は甲子園の暑さ対策として、練習に割り当てられた2時間のほとんどを、走り込みに費やしていた。

「入学時の直球は128キロ。強制的に走らされることで140キロまで伸びたんですけど、2年生のときに、力を入れて投げたら奥歯が欠けてしまって。マウスピースをして投げるようにしてから、より踏ん張れるようになりました。球速より球質にこだわりたいんですけど、やっぱり速いに越したことはないですね。近いうちに155キロは投げたいです。高い目標を設定していないと、常時150キロ台が出るようにはならないと思うんで」

“輝星“の名は、柔道家の井上康生にあやかっている。井上ファンの父が付けたこの名前を、本人も気に入っている。中学時代の成績は優秀で、県内有数の進学校、秋田高校にも合格できる実力。

 気になるのはそんな吉田の進路だ。甲子園が始まる前、彼は東北地方にある大学への進学を、近しい人々や一部のスカウトに伝えている。しかし甲子園での活躍で、今後はプロ野球界からの再アタックが予想される。そのことに気を揉(も)んでいるのが、金足農業の中泉一豊監督だ。

「(これだけ騒がれることで)いろいろなことを周りから言われるでしょうし、本人の気持ちは揺れるかもしれない。怖いです……。(進学が既定路線?)はい」

 もちろん、吉田にも直接、進路に関して訊ねたが、本人は煙(けむ)に巻いた。

「まだ決めていません。もちろん、将来的にはプロ野球選手になりたいです」

 ある球団スカウトは、候補となっているU-18高校日本代表を経験し、吉田が翻意することを期待している。

「大学に行って時間を無駄にする必要はない。大阪桐蔭の根尾(昂)や藤原(恭大)と同じチームとなり、自分の投手としての力を知ればプロに気持ちが傾くかもしれない。3年前、社会人志望だった秋田商業の成田翔(かける)(現千葉ロッテ)も、高校日本代表を経験することでプロ入りに踏み切った。前例はある」

 野球界の新星として、より輝けるのはプロの舞台ではないか。

最終更新:8/18(土) 11:55
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