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天才かもしれない人が組織になじめないワケ

8/19(日) 8:00配信

東洋経済オンライン

 都内の大手広告代理店に15年以上勤めるHさんは、会社では1人浮いた存在で社内の人間関係に悩んでいました。彼が提案する独創的なアイデアは、大手企業の保守的なスタイルに合わず上司や同僚からは空気を読むことのできない人間として扱われていたそうです。

 生産性の感じられない会議や、何人もの上司の許可を得ない限りプロジェクトが進まないことなど、自分の実力を発揮しきれないことでフラストレーションを抱えていました。ついには体調不良を起こし、精神的にも追い詰められていました。

 個性、個性と叫ばれる現代ですが、その個性が強く、突出した才能があればあるほどに、周囲から理解されず社会から孤立してしまう、という矛盾を抱えている人は多いものです。一方、組織で順応できず、ゴミ社員扱いをされていた人のなかには、いったん自分の才能に気づき独立すると、あっという間に大活躍してしまうタイプもいるのです。

■言葉では表しにくい「違和感」

拙著『『天才』の教科書』でも詳しく述べていますが、一般的に、発達障害と呼ばれる「特質」を備えた人が社会に出ると、さらに巨大な壁が目の前に立ちはだかります。当然のように収入を得るためには職場の決まり事に従い働く必要がありますが、そこでも私はさまざまな決め事(ルール)に疑問を持つことをやめられず、なぜそうした決まりがあるのかが理解ができずにいたのです。

 「なぜ、1+1=2 なのか?」

 「なぜ、朝礼であいさつの練習をしなければならないのか?」

 「なぜ、上司に確認をとってからでないとアクションしてはいけないのか?」

 など、「そういうものだ」ということを受け入れることができず、「なぜ?」と考えてしまうのです。

 私がこれまで関わってきた3万人以上のクライアントの中にも、発達障害と診断された方や、その傾向があるが発達障害まではいかない「グレーゾーン」と呼ばれる特徴を持つ方が多くいらっしゃいました。

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