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ウォルマートの西友売却に見る外資チェーンの勘違い

8/20(月) 5:00配信

商業界オンライン

  ウォルマートが傘下の西友を売却する方針を決めて買い手を探していると報じられて以降、さまざまに論じられているが、日本経済新聞が「西友漂流」と題して上下2回にまとめた記事は事情を適確に捉えていた。その指摘は外資に限らずチェーンストアに普遍的な課題を含んでいるのではないか。

ウォルマート流改革が挫折した5つの要因

 ウォルマートは2002年に西友と資本提携し08年にはTOBで完全子会社化してウォルマート流を徹底しようとしたが、16年間に計2500億円を投資しても収益化できず、ウォルマート・ジャパン・ホールディングス(西友の業績を反映する)の17年12月期の最終損益はゼロ円に留まる。私流にまとめれば、ウォルマート流改革の挫折要因を日経は以下のように指摘していた。

1)エブリデー・ロー・プライス[以下EDLP]戦略のすれ違いと不徹底

2)メーカー直取引の挫折と問屋活用の不徹底

3)中央集権志向(CMI)が地域対応の品揃えを損なった

4)コスト削減の効率化が品揃えの魅力を削ぎ、店舗をスラム化させた

5)殿上のトップ人事が迷走し現場の意欲とスキルが崩れた

占拠率の低い西友にEDLPは無理だった

 EDLP戦略とH&L(ハイ&ロー/特売)戦略は意見の分かれるところだが、近年の行動経済学(消費心理学という一面もある)の研究成果はH&L戦略に軍配を上げており、EDLPはどこの特売より確実に安くない限り成立しないと見るのが今日の見識だ。

 米国での圧倒的寡占状態が可能にしたEDLPも進出した海外では占拠率が下位に留まって成立せず、06年にはドイツと韓国から撤退、今年4月には1999年に買収した英スーパーマーケット3位のアスダ・グループを同2位のセインズベリーに売却することで合意している。ましてや年商7000億円程度に落ち込んでドンキホーテホールディングスやイズミにも抜かれ、6位に転落した西友にEDLPを実現するバイイングパワーなど期待すべくもなかった。占拠率の低い西友は、むしろゲリラ的特売に徹するべきだったのではないか。

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