ここから本文です

石橋静河、『半分、青い。』佐藤健の妻役で示した存在感 今年後半には話題の出演作も多数

8/20(月) 12:58配信

リアルサウンド

 『半分、青い。』(NHK)第75話のラストに萩尾律(佐藤健)の嫁として登場し、以来じわじわと話題を集めてきた萩尾より子(石橋静河)。本作のヒロイン・鈴愛(永野芽郁)にとって、もっとも気になる、つねに頭の片隅にある存在であったことが予想される彼女だが、鈴愛のそれと同じような感触を、演じる石橋に対して持っていた視聴者の方も多いのではないだろうか。そんな彼女が、ここにきて一気に存在感を示した。

「ありがとう」の声続出 仙吉の立派な人生を振り返る

 第73話で律が鈴愛に突然のプローポーズを放ち、衝撃とともに大きな話題をさらったが、そのすぐ後の第75話では彼が結婚したことが判明。さらなる衝撃と困惑の声が上がった。そのお相手がより子なのだ。ボクテ(志尊淳)とユーコ(清野菜名)は、鈴愛にプロポーズを断られた律が、つい結婚してしまったに違いないと決め込み、より子を計算高い女なのでは?と睨んでいたが、これまでほとんど登場がなかったために、彼女の素性は謎に包まれていた。毎朝本作を楽しみにしている私たちは、彼女の人物像に想像を膨らませるばかりだったのではないだろうか。

 そんな中、ついに姿を現したより子。鈴愛は、思いがけず彼女と電話でバッティングするかたちとなった。息子・翼(山城琉飛)の教育や、夫・律の出世に頭を悩ます彼女は、どうやらいつも不機嫌なよう。久々の登場にして、インパクト十分である。『連続テレビ小説 半分、青い。 Part2』(NHK出版)にて石橋は、「より子が意地悪を言うのは、ケンカしてでもコミュニケーションを取りたいから。不器用なんでしょうね。『半分、青い。』の登場人物は、どこか情けなかったり、優柔不断だったりして、単なる“いい人”ではない。美化されすぎないところが、人間らしくて魅力的だと思います」と、自身の役と、本作について語っている。石橋の洞察力から生まれるより子の人間性が、さらに明らかとなっていくのが楽しみである。

 山田孝之と菅田将暉のW主演ドラマ『dele』(テレビ朝日系)第2話での好演も印象的であった石橋は、2015年から女優活動を開始。彼女が石橋凌と原田美枝子の次女であり、デビュー当初より大きな期待を背負っていたことを知る方も多いだろう。テレビでの活動がこれまでほとんどなかったため、『半分、青い。』での登場に際しても「より子役の女優は誰だ?」といった声が方々で見受けられたが、知る人ぞ知る女優である彼女に早くから注目していた方もまた多い。現に彼女は日本の映画界の数多いる女優たちのなかで、とてつもないスピードで頭角を現しつつある。

 2016年に野田秀樹演出による『逆鱗』に出演し、三島有紀子監督作『少女』で映画デビューを飾った石橋。その後は現在に至るまで、映画を中心に立て続けに話題作に起用されており、昨年公開された『PARKS』『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』では大抜擢と言っていいポジションを見事にまっとうした。とりわけ昨年の映画賞を席巻した後者では、池松壮亮とのW主演にして彼女は映画初主演。看護師として勤めながら、夜はガールズバーで働くという生活を送るヒロイン・美香を好演したのである。2017年、現代の東京という生きづらい世界の片隅で、池松演じる日雇い労働者・慎二と静かに身を寄せ合うさまには、多くの者が胸を締め付けられ、同時に胸を躍らせたことだろう。渋谷の街を進む彼女の足取りは軽く、包容力ある落ち着いた雰囲気と聞き心地のいい声は、池松演じる慎二が心の拠り所に選んだのにも頷ける。女優としてのキャリアはまだ僅かながらも彼女がこのキャラクターを体現し得たのは、幼少期よりクラシックバレエやコンテンポラリーダンスといった、身体をつかった“表現”に親しんできたことも理由の一つなのだろう。そして何より、彼女の両親同様に、大きなスクリーンが似合うのである。

 2018年後半の石橋は、佐藤泰志の同名小説を原作とした『きみの鳥はうたえる』や、松田龍平が『青い春』ぶりに豊田利晃監督作で単独主演を務める『泣き虫しょったんの奇跡』、これまで多くのCMやMVを手がけてきた関根光才の長編劇場デビュー作である『生きてるだけで、愛。』と、参加した話題作の公開が控えている。朝ドラ『半分、青い。』によって広くその名を知られたことは、メインである映画での活躍の架け橋ともなるのではないだろうか。今後もっとも、目の離せない女優である。

折田侑駿

最終更新:8/20(月) 18:52
リアルサウンド

記事提供社からのご案内(外部サイト)

リアルサウンド

株式会社blueprint

音楽と映画を対象とする総合カルチャーサイトです。各ジャンルのニュースから、第一線のライターによる作品レビュー、業界分析記事まで、多彩な記事をお届けします。

あなたにおすすめの記事