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「昭和のおっさんvs平成のおっさん」会社に必要なのはどっち?

8/20(月) 16:00配信

週刊SPA!

今上天皇の退位で、来年には幕を下ろす予定の平成。そんな平成とはいったいどんな時代だったのだろうか……と振り返りたいところだが、最近はなぜか「昭和かよ!」と言いたくなるような騒動や事件が続出している。そこで、さまざまな分野の昭和・平成の状況を比較。それぞれの時代の良しあしを確認して勝敗をつけながら、新時代に何を残すべきかを考えていく。

◆昭和のおっさんvs平成のおっさん

「さよなら、おっさん。」――。6月26日、センセーショナルなキャッチコピーが日経新聞に掲載された。ニュースアプリ「NewsPicks」の広告だが、この“煽り”とも取れるコピーはネットを中心に話題を呼び、「おっさんに失礼」と炎上する事態に及んだ。確かに、働き盛りで社会を支えるおっさんには承服し難い気もするが……。

「そもそも問題なのは、主に40~50代の“平成のおっさん”が、自分がおっさんであることに無自覚なことだと思いますよ」

 こう指摘するのは、労働社会学者の常見陽平氏。冒頭のコピーは「おっさん的な価値観が支配していた昭和からの脱却」を意味しているといえるが、常見氏は平成のおっさんと昭和のおっさん、どちらに分があると見ているのか。

「平成のおっさんは、“脱”昭和のおっさんを意識してきた。よく言えば新世代の感覚ということかもしれませんが、裏を返せば若者にすり寄っているだけ。おっさんの役割を放棄しているのと同じです」

 と、いきなり手厳しい指摘だ。バブル全盛時代に40~50代を過ごした昭和のおっさんといえば終身雇用制度にガッチリ守られて、チームワークを何より重視。サービス残業も当たり前でアナログ&精神論にしがみつきという前時代的なイメージが強い。

 それに対して、会社人間からの“精神的な離脱”を目指してきたのが平成のおっさんだ。

「平成のおっさんは価値観が変化する時代を過ごしてきました。終身雇用に守られていた昭和のおっさんと比べ、失敗が許されません。また、社会の多様化もあり仕事の考え方も変わってきた。いわば、平成のおっさんはバブル世代とゆとり世代の“懸け橋”になれる。ただし、実際には若い世代の考え方に迎合して“自分はおっさんじゃない”と言い聞かせているだけなのが現状でしょうけどね」

 確かに、昭和のおっさんと平成のおっさんの間には大きな価値観の溝がある。たとえば、今ではネガティブな「フリーター」という言葉だが、平成のおっさんが若者だったバブル期には“自由な生き方”としてプラスのイメージで捉えられていた。この価値観を持ち続けながらも経済的に会社からは離れられないジレンマが、平成のおっさんの立ち位置を不安定なものにさせているというのが常見氏の意見だ。

「よく言っているんですが、“老害”も社会には必要です。若い世代はときに暴走しますが、ストップをかけられるのは老害力。まだ昭和のおっさんも健在ですが、近い将来、平成のおっさんが老害として歯止め役にならなければいけません」

 その上で、おっさんであること自体に無自覚な平成のおっさんには「正義感」が必要だと常見氏の見解だ。

「社会のために、会社のために、組織のために、いったい自分に何をできるか。昭和のおっさんや若い世代の間に立って調整役になるには『正義感』が欠かせません。そろそろ老害と言われても、世の中の役に立つ存在になるべきなんです」

 自分で“おっさんじゃない”と思っていても、年齢的にはまごうことなきおっさんそのもの。それを自覚しなければ、老害にもなれない無価値な中年になってしまうかも?

<判定>昭和のおっさんの「老害力」と平成のおっさんの「調整力」。どちらも会社には必要なので判定はドロー

【常見陽平】働き方評論家

’74年生まれ。千葉商科大学国際教養学部専任講師。一橋大学商学部卒業、同大学院社会学研究科修士課程修了。『社畜上等!――会社で楽しく生きるには』など著書多数

― [昭和 VS 平成]十番勝負 ―

日刊SPA!

最終更新:8/20(月) 16:00
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