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MeToo、母娘問題、妊活……。マリー・アントワネットがギャル語でぶっちゃける「女にかけられた呪い」とは。

8/21(火) 7:00配信

Book Bang

 そんなさあ、王妃になったぐらいで人はそうそう変わったりしないって。むしろあたしがフランス王妃とかwww マ? マ? くっそウケるwww ってかんじなんすけど。昨日までちゃらんぽらんだったやつがなにかをきっかけに圧倒的成長を遂げていっぱしの大人みたいな口利くようになったりしたらむしろそっちのほうがうさんくさくない? ないわー、信用できんわーってかんじしない? というわけで王妃マリー・アントワネットもこれまでどおりでいくから! 調子アゲてこ、プチョヘンザ! (1774年5月17日(火)『マリー・アントワネットの日記 Bleu』より)

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池田理代子の『ベルサイユのばら』、遠藤周作の『王妃マリー・アントワネット』、ソフィア・コッポラの「マリー・アントワネット」など、革命に散ったフランス王妃・マリー・アントワネットの生涯を描く名作は枚挙にいとまがない。平成30年8月、ここにまったく新しいマリー・アントワネットが誕生した。作家・吉川トリコが生んだ、ギャル語とネットスラングを駆使し、生来のお調子者として大暴れするアントワネットである。冒頭の日記はまさにそのアントワネットが綴ったもの。処刑当日まで克明に綴られた彼女の日記は、読む者に大きな衝撃と深い共感を与える――。

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――ギャル語のマリー・アントワネット、画期的ですよね。

吉川 もともとギャル語が大好きで。すごくクリエイティブですよね。新しい言葉を創造してゆく。流行語を多用して書かれた小説も以前からよく読んでたんです。中森明夫さんの『東京トンガリキッズ』とか田中康夫さんの『なんとなく、クリスタル』とか。岡崎京子さんの『くちびるから散弾銃』も、当時の風俗や流行語がいっぱい出てくる作品で。私はリアルタイムではなくて3~4年遅れて読んだので、固有名詞が全然分からなかったんですけど、妙に楽しくて大好きでした。

――いつか自分でも、流行語満載の小説を書きたいと思っていらしたんですか? 

吉川 そうですね。一時期流行った、記号を組み合わせて作る「ギャル文字」がありましたよね。「|ナ」=「け」みたいな。デビュー当時、あれを駆使して小説を書きたいと話したら、編集者から「それはやめて下さい」とか言われて(笑)。

――それから10年以上経って、やっと念願のギャル語小説が実現したんですね。

吉川 マリー・アントワネットに興味を持って、彼女を書きたいと思ったとき、「あっ、これをギャル語で書けばいいんだ!」ってひらめいたんです。現代の女の子をギャル語で書くよりも絶対面白くなるって思った。

――ネットスラングやHIP HOP用語も多数出てきますが、こういった言葉についても詳しかったのですか? 

吉川 ある程度は馴染んでましたけど、この作品を書くためにめちゃくちゃ勉強しました(笑)。ネットとか、たまにファッション誌に載ってる「現代用語辞典」とかを見つけるとせっせとメモして、リスト作って。連載が終わってもまだまだ用語のストックが残ってたので、後からどんどん書き足しました。一時期、Twitterで「#クソ語彙小説」っていうのが流行ってたんですよ。

――クソ語彙小説? 

吉川 古今東西の名作を140字の「クソ語彙」で翻訳する。「桃太郎」だったら「やばめの桃流れてきてぱっかーんしたら中から子供でてきたウケるwww」みたいな。あれに一時期ハマっていろいろ集めてたんですよね。その影響も受けていると思います。

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最終更新:8/21(火) 7:00
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