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県大会で10年連続初戦負けの弱小校が起こした奇跡の裏側。三重県・白山高校「負け組たちの逆襲」

8/22(水) 6:01配信

週プレNEWS

三重県の弱小校による冒険は、甲子園初戦敗退で終わった。だが奇跡の記憶はまだ色あせていない。快進撃の裏にあったもの、それは根深いコンプレックスだった。

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■「リアル・ルーキーズ」と呼ばれて

松阪駅を起点にする名松線の車内で出発時刻を待っていると、ボックスシートの向かいに座った中年女性から声を掛けられた。

「もしかして白山高校に行かれるんですか?」

女性は私が「本当に2時間に1本しか列車が来ない」などとメモ帳にしたためていた姿を見て、白山高校を取材に来た記者だと思ったという。

「『ハクコウ』が甲子園に行くなんて、地元の人間は誰も信じられませんでしたよ」

白山の生徒と名松線の車内で乗り合わせることがあるという女性は、こんなエピソードを教えてくれた。

「ハクコウの生徒さんが車内の床にベタッと座っていて、私が通りにくそうにしていたら、近くで床に座っていた別の生徒さんが『おい、どいてやれや』って言ってどかしてくれたんです。かわいい子たちなんですよ」

名松線は松阪―伊勢奥津を結ぶローカル線で、白山高校の最寄り駅である家城(いえき)駅を通るため、同校の生徒も多く利用する。白山高校野球部の東拓司監督は苦笑交じりにこう言った。

「白山の生徒ばかりが乗るので、『人に見られる』という意識がないんですよ」

そして、東監督は続けた。

「白山の生徒にとって、名松線に乗ること自体が劣等感の始まりなんです。松阪駅には近鉄線も出ているんですが、通勤する人など利用者が多くて本数も多い近鉄線に比べて、名松線は2時間に1本しか出ない。他校の生徒が近鉄線に向かうのを横目に見ながら、白山の生徒は名松線に乗り込むんです」

そんな白山の甲子園出場は、全国に大きな衝撃を与えた。何しろ白山は2007年から10年連続で三重大会初戦敗退という弱小校だったのだ。

一部では白山高校を「リアル・ルーキーズ」と称する向きもあった。『ROOKIES(ルーキーズ)』は、ドラマ化・映画化もされた森田まさのりの野球漫画。熱血教師がヤンキーが集う野球部を立て直す物語だ。

確かに名松線で中年女性が語ったエピソードから、その息づかいは聞こえてきた。

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最終更新:8/22(水) 6:01
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