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時代遅れと言われても。金足農がブレずに貫いた「ザ・高校野球」戦法

8/27(月) 6:52配信

webスポルティーバ

 近年、高校野球界は私学優位の状況が続いている。今大会も代表56校中、公立校はわずか8校。また夏の甲子園で公立校の優勝は、2007年の佐賀北以来ない。ベスト4すら今回の金足農が2009年の県岐阜商以来、9年ぶりのことだった。昨春からの4大会で3度全国制覇を果たした大阪桐蔭だけではなく、甲子園常連の私学には全国から好選手が集まっている。そんななか、地元の子たちだけで勝ち上がったことも、金足農人気を後押しする要因になった。

 もともと、なぜ高校野球が人気になったかといえば、人には郷土愛があるからだ。母校でなくても、地元のチームに自然と肩入れしてしまう。それが全国47都道府県から代表が集う甲子園のよさだ。

 今大会から外野席が有料になってしまったが、昨年までは無料だった。それにも、ちゃんとした理由があった。

 昔、田舎から丁稚奉公で関西に出てきていた人たちが「夏休みに故郷に帰るお金はなくても、甲子園に行けば、タダで郷土代表のチームを応援できる」ようにするためだ。甲子園に行って、故郷のチームを見ながら地元を思い出す。たまたま隣り合った人と故郷の話題で盛り上がる。そんなことができるのが、高校野球人気の原点にあるのだ。

 金足農の活躍は、秋田の住む人だけでなく、現在は故郷を離れている秋田出身の人々にも勇気を与えたに違いない。高校野球によって地元の人たちと深くつながることができる。この空気が伝わったからこそ、秋田出身以外の人たちも共感し、金足農に感情移入したのではないだろうか。

 ブレずに貫いたことで生まれた“個性”。故郷に勇気と感動を与えることで生まれた“共感”と“感情移入”。この“個性・共感・感情移入”の3Kが、金足農の快進撃を支えた大きな要因となったのだ。

 甲子園の原点を忘れてはいけない──節目の100回大会に、そんなメッセージが込められていたかのような金足農の快進撃だった。

田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka

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