ここから本文です

値上げ続く学校制服、知られざる業界「体質」

8/27(月) 6:00配信

東洋経済オンライン

 2016年、栃木県南部の県立高校。新たな制服の製造業者を決めるコンペの結果が白紙撤回された。撤回のきっかけは、コンペで選ばれた大手制服メーカーと高校教員の癒着疑惑。コンペ終了後に、メーカーの担当者と教員が地元で祝杯を挙げている様子を関係者が目撃し、高校に通報して発覚したのだった。

【図表】制服業界はこうなっている!

 「昔からよくあること。特段驚かない」と、別の制服メーカーの社員は淡々と話す。制服の仕様を変える際は、校内に設置した検討委員会で一定の要件を決めたうえでコンペを開催するケースが多い。一見、公平な手続きを経ているように映るが、冒頭の高校のように、選定の過程で担当教員が親しいメーカーを優遇する事例は今でも残っている。

■制服のほとんどは国内生産

 制服にかかる費用を負担するのは生徒と保護者だが、その価格やデザインの実質的な決定権は各学校に委ねられている。少子化が進む中で顧客確保に奔走する制服メーカーにとって、自社をひいきにしてくれる教員をいかに囲い込むかは重要課題だ。

 学校制服の市場は、いずれも岡山県に本社を置く菅公学生服、トンボ、明石スクールユニフォームカンパニーの大手3社が過半のシェアを取る。

 2~3月の合格発表後に採寸し、4月の入学式前までに全生徒の元へ届けるため、短納期が要求される。3年間の使用を前提とした耐久性も求められる。そのため、衣料品の輸入比率が9割を超す現在でも、制服のほとんどが国内生産だ。

 通常の衣料とは異なり、参入障壁が高く、価格競争が起きにくい。小売物価統計調査では、全国の中学校の制服の平均価格は2017年で男子用が約3万3500円、女子用が約3万1850円と、この10年間で18~19%値上がりした。

 制服メーカー側にも言い分はある。原材料の高騰に加え、生徒の少人数化に伴い少量多品種の生産が増えたことだ。学校制服のウール生地でシェアトップを誇るニッケ(日本毛織)は3年前、羊毛価格の高止まりなどを理由に、学生服用の生地の価格を7%上げた。実は制服原価のうち、生地が4割強を占める。その生地が値上がりすれば、仕様を見直さないかぎり販売価格へ転嫁せざるをえない。

1/3ページ