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「満員電車」あと何本増発すれば緩和できる?

9/1(土) 10:10配信

東洋経済オンライン

 小池百合子都知事が就任して2年が経過した。小池知事はさまざまな「ゼロ化」公約を掲げて都政に取り組んでおり、その中の1つに「満員電車ゼロ」がある。これは、筆者が学生時代にインターンをしていた鉄道コンサルティング会社「ライトレール」の阿部等社長による案が原案となっている。

【表】あと何本増発すれば混雑率は下がる?

 だが、今までのところ抜本的な解決を図るような政策は打ち出されていない。そもそも、満員電車ゼロを達成するのにあと何本列車を走らせる必要があるのか、そのためにはどのような設備の新設・増設が必要なのか、といった視点での議論はなされていない。

■どうすれば目標値に届くのか? 

 そんな中、7月に国土交通省から最新の混雑率データが出された。そこで、これを基に「満員電車ゼロ」の状態まであとどのくらいの輸送力が不足しているのかを算出してみた。

 ここでいう満員電車ゼロとは、定員乗車、つまり混雑率100%のことを指すものとする。そもそも法令上は乗り物には定員以上の人数を乗せることを良しとはしていない。一方、国土交通省が掲げる目標値は150%である。

 筆者の個人的見解としては、国交省の数値に他線での輸送障害発生時に迂回客を運ぶ余裕を考慮して120%程度を目標にするのがよいのではないかと思う。いろいろな考え方があるが、ここでは定員の100%と、筆者の見解に基づく120%とで検討した。

 国交省のデータでは、東京圏主要31区間すべての最混雑時間帯の輸送力は99万人。これに対して輸送人員は161.5万人であった。なんと、主要31区間だけでも62.5万人分もの輸送力が不足していることがわかる。

 それでは、各路線ごとに見ていこう。

 ■小田急線

 小田急は今春完成した複々線での1時間最大36本運転により、すでに混雑率は151%まで緩和されている。来年からは新宿発着の各駅停車10両化が始まり、全列車が10両化されれば国交省目標の150%を切ることができる。もし100%にするならば53本の運転が必要で、あと17本足りない。そこまでしなくても、120%まで下がればいいということであれば必要な本数は44本で、あと8本増やせばよい。増やすとすれば、複々線化後も混雑が集中する快速急行の増発に期待したい。

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