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洗濯用「ウタマロ石けん」がまさかのV字回復 裏に意外な用途あり

9/5(水) 11:31配信

日経クロストレンド

 発売後60年が過ぎたレトロな商品が、大きなブランド変更などもせずにまさかのV字回復を遂げている。洗濯用の「ウタマロ石けん」だ。昨年の年間売上個数は、10年前の約6倍となる約1200万個にも達した。意外な用途に気づいたことがきっかけだった。マーケティングやデジタル戦略の最前線を伝えるデジタルメディア、「日経クロストレンド」がレポートする。

 1957年の発売時は、洗濯板で衣服を手洗いする洗濯せっけんとして登場。だが、60年代から洗濯機が普及すると、売り上げは年間300万個をピークに漸減し、いずれ消えてなくなるかに思われた。しかし、その後もなぜか100万個をキープ。不思議に思った製造元の東邦が調べると、意外な事実が浮かんだ。「洗濯機洗いでは残ってしまう泥汚れや襟袖の黒ずみがよく落ちると、消費者が部分的な手洗い用に“転用”し、生き残っていた」(東邦の西本武司社長)。

 この用途に気づいたことが、同社の次の躍進につながる。6年ほど前からは、泥汚れがよく落ちることを前面に打ち出し、全国ローラー作戦を敢行。子供が幼稚園や保育所に通う親へのサンプリングや、イベントでの実演も強化。SNSを通じてクチコミが爆発的に広がった。さらに、「不況の影響やモノを大切にする機運が高まり、衣類を丁寧に長く使う風潮が広がったのも追い風になった」(西本氏)。

 4月には大手の花王が「アタック」ブランドで泥汚れに特化した洗濯せっけんを投入。ウタマロが孤軍奮闘してきた古き市場に再び注目が集まりそうだ。

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