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49%が「AIとロボットに仕事を奪われる」は本当か? 働き方改革が招くピンチとは

9/8(土) 11:53配信

NIKKEI STYLE

 「人工知能(AI)に仕事を奪われる」「AIに取って代わられる」――。AIの急速な進化が仕事や働き方にどう影響するのかは見通しにくく、将来への漠然とした不安や警戒心も根強いようだ。キャリア支援に詳しい前川孝雄氏は「むやみに怖がるには及ばない」と、冷静に向き合うよう促す。著書「『仕事を続けられる人』と『仕事を失う人』の習慣」を書くにあたっても、「AI恐怖」をあおり立てる風潮に疑問を感じたことが着想の一つになっているという。

 リクルートで「リクナビ」「就職ジャーナル」などの編集長を務めた前川氏は現在、「人が育つ現場づくり」を掲げて、研修やコンサルティングを手掛ける「FeelWorks」を率いている。たくさんの顧客企業の経営者やリーダー層と接してきた経験に基づき、著書では「仕事を続けられる人」になるための具体的な方策を示している。精神論に傾きがちな類書とは異なり、日々の仕事で実践しやすいアドバイスが「AIに奪われない仕事」のイメージを描き出している。

■その「仕事」、実は「作業」では?

 「日本の労働人口の49%はAIやロボットなどで代替可能になる」という野村総合研究所の推計は、国内の働き手に静かな動揺を呼んだ。しかし、そもそも本来の「仕事」と、仕事の顔をした「作業」が入り交じっていて、AIやロボットに置き換わるのは、主に「作業」の部分だと、前川氏はとらえる。変化に対応して、本来の仕事を生み出し、周囲を巻き込みながら結果を出していける働き手は仕事を失わないというのが前川氏の見立てだ。

 昨今、良くも悪くも流行語になりつつある「生産性」はAIやロボットの導入論議とからめて語られがちだ。しかし、「今の日本での生産性論議はやや本筋からずれている」と、前川氏はみる。疑問に感じる点は、「無駄をそぎ落とす」いう効率重視の意識が前面に出すぎているところだという。

 本来は質の高い仕事を実現する手段にすぎなかったはずの「無駄カット」が目的にすり替わっている。労働の質を高める工夫よりも、周辺業務をアウトソーシングする切り分け処理のほうが先行する傾向がある。前川氏はこの流れに、かつてマネジメント論としてもてはやされた「選択と集中」との共通点をかぎ取る。

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最終更新:9/8(土) 11:53
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