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森の守り神・シマフクロウ、豊かな森を後世へ

9/10(月) 13:19配信

オルタナ

その昔、アイヌ民族からは「コタン・コル・カムイ(森の守り神)」として崇められたシマフクロウ。1970年の高度経済成長期、自然が姿を消し、住処を失ったシマフクロウの数は、なんと70羽にまで減少し、絶滅危惧種となりました。「シマフクロウを、幻にしてはいけない」。1990年代、シマフクロウに魅せられた一人の青年が東京で職を辞し、単身、北海道に移住。現在に至るまで26年間、シマフクロウの保護に携わってきました。今、シマフクロウを取り巻く自然はどうなっているのか。シマフクロウを見つめ続けてきたその人に、話を聞きました。(JAMMIN=山本 めぐみ)

北海道にのみ生息する「シマフクロウ」

日本では、北海道にのみ生息するシマフクロウ。その保護・保全や啓発活動に取り組む「特定非営利活動法人シマフクロウ・エイド」(北海道)代表の菅野正巳(すがの・まさみ)さん(57)は、30歳の時たまたま手にしたシマフクロウの紀行文がきっかけでシマフクロウに魅せられ、「野生のシマフクロウが見たい」と当時働いていたアメリカの放送局の東京支局を辞職、北海道に移住したという経歴の持ち主です。

菅野さんによると、シマフクロウは、世界的に見ても北海道近辺にのみ生息するフクロウの一種。成鳥すると、羽を広げて全長は180cm、体重は3~4kgほどになるのだそうです。

「夜行性で魚が主食のため、英語の名称は『Fish Owl』。30年ほど生きる。1回の出産で、条件が良くて2羽生まれるが、繁殖の頻度は個体差があり、毎年繁殖する個体もいれば、3、4年に一度繁殖する個体もいる」

日本での生息数は現在たった170羽。豊かな自然の回復が望まれている

シマフクロウが暮らすのは山奥ではなく、人間が生活するすぐ近くの森。その森の中を、彼らははるか上空を飛ぶのではなく、樹間を移動して生活するのだそうです。

「そのため、かつては森でつながっていて現在は道路となっている場所では、人間の生活範囲とバッティングすることがしばしばあり、交通事故死や感電死といったリスクと隣り合わせ。現在、シマフクロウは日本に170羽ほどしか存在しないため、1つの個体が死ぬということは、ものすごく大きなインパクトを持つ。また、残念ながら人間による繁殖妨害によって、親鳥が子どもを育てるのをやめてしまうというケースもある」と菅野さん。

そもそも、ここまでにシマフクロウが減ってしまったのには、1970年代の高度経済成長期が影響していると指摘します。

「シマフクロウの住む森は、人間が手をつけやすい場所にあった。開発により木が伐採され、河川環境が悪くなり、それによって主食である魚が減り、1970年代にその数は70羽まで落ち込んだ」

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最終更新:9/10(月) 14:25
オルタナ

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