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「世界一のAI強国」目指す中国のアキレス腱

9/13(木) 6:00配信

東洋経済オンライン

中国政府は製造業政策「中国製造2025」でAIを先進国にキャッチアップするカギと位置づけ、AI技術のイノベーションによって製造業の高付加価値化を目指している。しかしAI関連の基礎研究、製造設備、ハイエンドチップなどの分野で、先進国に比べ依然として後れを取っている。AI強国に突き進む中国が抱える「三つのアキレス腱」とは。
 中国政府は2017年12月、「次世代AI産業発展の3年計画」を発表した。スマートカー、コミュニケーションロボット、ドローンなど主要8大AI関連製品及びコア部品の育成を通じ、工場運営のビッグデータをリアルタイムで処理し、生産工程を最適化する「スマート製造」の実現に向けた体制整備を急いでいる。

 また、センサー、ハイエンドチップなどコア部品の開発・量産を図る。デジタル制御機械の進化によって工場や物流の無人化を実現できれば、データ処理・分析をハイレベルで行う「スマート設備」の遠隔運営、製品の連続生産、品質のモニタリングなどを特徴とする新しい生産方式を構築することができる。

■2030年にAI総合力世界トップ水準へ

 その3年計画のなかではAI産業の発展プロセスが3つの段階を踏んで描かれている。第1段階では、20年に中国のAI技術が世界水準に達し、AIが新たな経済の成長エンジンとなる。第2段階では、25年にAI基礎理論のブレークスルーを実現し、一部の分野で中国のAI技術・応用が世界をリードする。最終段階の30年には、中国のAI総合力が世界トップ水準となり、AI産業は170兆円規模に達し、経済強国を支える基盤となる。

 だが、このような壮大な青写真が計画通りに進むかは不透明だ。

 1つ目のアキレス腱として挙げられるのは、国内の地場AIチップ企業の育成が遅れていることだ。AIチップは演算処理を高速化する半導体チップであり、画像認識や音声認識をメインとした演算処理に欠かせない存在である。世界AIチップ企業のランキングを見ると、エヌビディアやインテルなどアメリカの企業が上位6位を占め、中国のHUAWEI(華為)は第12位にとどまる。

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