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「早寝早起き」に囚われるな。「国民総寝不足」の日本人が知るべき睡眠研究からわかった事実

9/14(金) 20:10配信

ライフハッカー[日本版]

昨日、何時間寝ましたか?

2017年新語・流行語大賞にノミネートされた「睡眠負債」の例を引くまでもなく、悩みを抱える人は多いことでしょう。でも、ちょっとそもそも問いたいのですが、「正しい睡眠の知識」って学校でも会社でも、教わっていないものです。

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断片的にある情報を上手いことパッチワークしているだけで、睡眠にまつわるベーシックな知識って案外知らない。

実は、睡眠に関してはマウスを用いるような基礎研究も道半ばなのだといいます。ただ、現在わかっている知識をインストールすることは、確実に今後10年の日々に…むしろ明日の自分にだって、影響を及ぼすと言えるはず。

そこで今回は、世界トップレベルの睡眠医科学研究拠点として数えられる、筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)の柳沢正史(やなぎさわ・まさし)機構長のもとを訪ねました。

睡眠研究の世界的なリーダーは、「日本は国民総寝不足の状態です」と話します。今日から取り入れるべき睡眠の基礎知識と、睡眠研究のこれからについて教わりました。

睡眠について知っておくべき基礎知識まとめ

以下、柳沢教授へのインタビューをお届けしますが、かいつまんでポイントを紹介しましょう。

興味のある項目については、ぜひ詳細に読み込んでみてください。

・必要な睡眠量はほとんどの人で6~8時間、連続して取るのが理想

・朝型/夜型は遺伝子で決まっており、年齢でも変化する

・平日と休日の睡眠時間が、2時間ちがっていたら睡眠負債の疑い

・睡眠不足は肥満・生活習慣病などのリスクを高める

・寝不足な場合、昼寝が効果的なのは事実

睡眠量は実験を、朝型/夜型は診断を

── 個人差はある前提で、そもそも一日に何時間眠ればいいのか、というのは誰もが思う問いのひとつです。

柳沢正史教授(以下、柳沢):必要な睡眠量は年齢によって変わります。中学生くらいの年齢なら8~9時間ほどですが、20代後半ぐらいにかけて平均7時間ほどに落ち着いていきます。それを踏まえ、多くの研究者が同意しているのは、大多数の成人にとって必要な睡眠量は6時間から8時間ぐらいだということです。

逆に、6時間以下で充分な人は、ほとんどいないと言っていいでしょう。ゼロではありませんが、100人に1人いるかどうかの割合です。

── となると、いわゆる「ショートスリーパー」は稀なのですね。

柳沢:以前にクラウドファンディングも活用してIIISの研究者と調査した結果から見ても、真のショートスリーパーである候補者は100人に1人もいませんでした。また、後天的にショートスリーパーになることもあり得ません。自称「ショートスリーパー」の寝不足な人は大勢いますが…。

理想は、 分割睡眠ではなく連続して必要な睡眠量を得ることです。聞いたことがあると思いますが、人は寝ている間に、約1時間半ごとにノンレム睡眠とレム睡眠のサイクルを4回から6回繰り返します。眠りの前半はノンレム睡眠が、後半はレム睡眠がメインになります。

このサイクルを適切に繰り返すことで睡眠の質は上がります。睡眠時間が分割されるとノンレム睡眠・レム睡眠のサイクルが 分断されてしまうので、眠らないよりはマシですが、やはり質は劣るといえます。

── 自分に必要な睡眠量を知る方法はあるのでしょうか。

柳沢:人によって理想の状態はまちまちで、知るのは簡単ではありません。現状では自分で実験するのが近道です。「もうこれ以上寝ても仕方がないと思える感覚」を抱くような、つまり「自分は何時間眠れば充分なのか」を検証してみるのです。

一方、その人の体内時計に合わせた「朝型/夜型」は、遺伝子で決まっています。「朝型/夜型」は10項目ほどの質問表に答えるだけで、概ね判明する世界標準のテストがあり、信頼に足る結果を出してくれます。

遺伝子レベルのことですから、これも誰もが生活習慣で簡単に変えられるものではありません。

── テストを試してみたら、僕は夜型でした。子どもの頃は朝早くても平気でしたが…。

柳沢:「朝型/夜型」は年齢とともに変わります。小学生くらいの年頃は朝型が多いのですが、思春期で一気に夜型になるんですね。特に18~20歳は夜型が多い。

そして、50代を過ぎ、老年になっていくと朝型に戻る。振れ幅には個人差がありますが、「朝型/夜型」の年齢による変化は大きく、最大2時間ほどの差が生じます。

思春期で朝起きるのが急につらくなる人が多いのはそのためです。ちなみに、男性の方が時間の振れ幅が大きい傾向にあります。

理想をいえば、「朝型/夜型」と自分に必要な睡眠量を知った上で、平日や休日を問わずに同じ時間に眠り、同じ時間に起きることです。

…とはいえ、社会的な要請でなかなかそうはいかない。朝に起きる時間は社会的に規定されている人がほとんどですから。

子どもの弁当や食事を用意するために毎朝5時に起きているとしたら、7時間の睡眠を確保するには22時には眠らないといけません。

しかしそれは至難の技です。そんな場合であっても妥協点を知るために、自分を対象にして「何時間の睡眠で足りるのか」を実験してみてほしいですね。

現代日本人の働き盛り世代は寝不足で、みんなが睡眠負債を抱えているといえるでしょう。昼間の過ごし方、電車内での居眠り、あるいは休日の睡眠パターンを見れば一目瞭然です。

いま、寝不足でない日本人は仕事を引退した高齢者世代くらいでは…。実際、現役時に比べて「睡眠時間が延びた」と自己申告する人がほとんどですから。

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