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『チア☆ダン』 心打つ青春ドラマの王道と輝き

9/14(金) 23:01配信

NIKKEI STYLE

 いつの時代も、青春ドラマは人の心を打つ。特に2000年以降目立つのが、スキルも経験もない素人集団が力を合わせて何かひとつのものを表現するといった類いの青春ドラマだ。そのパイオニアとなったのは、やはり『ウォーターボーイズ』(フジテレビ・2001年~05年)だろう。01年に妻夫木聡主演の映画版が公開。そのヒットを受け、03年に山田孝之主演で連ドラ化、さらに翌年の04年には市原隼人主演で再び連続ドラマ化された。
 以降、映画の世界では『スウィングガールズ』(2004年)、『フラガール』(06年)、連ドラでも『ダンドリ。~Dance☆Drill~』(フジテレビ・06年)、『タンブリング』(TBS・10年)、『表参道高校合唱部!』(TBS・15年)と定期的にこうした青春ドラマはつくられ続けてきた。
 そして今、爽快な感動をもたらしているのが、TBSの金曜ドラマ『チア☆ダン』だ。本作は17年公開の映画『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』の続編的作品。普通の女子高生たちがチアダンスに挑戦し、成長していくという世界観はそのままに、時代設定を映画から9年後、さらに舞台を福井中央高校から福井西高校に移し、結成したばかりのチアダンス部「ROCKETS」が、全米選手権5連覇を果たす超名門・福井中央高校「JETS」を倒して、全米制覇を目指す青春エンターテインメントだ。
 この『チア☆ダン』、毎回悔しいくらいについ泣かされてしまう。今回はいい年をした大人の心を熱くさせる『チア☆ダン』の魅力について語ってみたい。

■主人公はコンプレックスの塊

 まず『チア☆ダン』がこれだけ気持ち良く泣けるのは、フォーマットの強さにある。主人公の藤谷わかば(土屋太鳳)は幼い頃から「JETS」に憧れていたが、受験に失敗。同じように小さい頃から一緒にチアを踊ってきた姉のあおい(新木優子)は夢をかなえて「JETS」でセンターを務め、全米制覇も果たすなど、すっかり遠い存在に。完璧な姉を尻目に、わかばは何でもすぐにあきらめるコンプレックスの塊になっていた。
 そんなわかばを変えたのが、突然現れた東京からの転校生・桐生汐里(石井杏奈)。打倒「JETS」を掲げ、チアダンス部設立に向けて猪突(ちょとつ)猛進する彼女に感化されていくうちに、わかばは本来の前向きさを取り戻す。
 コンプレックスの強い主人公が少しずつ成長していくというプロットは、青春ドラマの王道中の王道。そんな主人公を変えるのが、ちょっと強引な転校生というのも定番だ。当初はチアダンス部設立に反対するも、一転して仲間に加わる真面目な優等生・桜沢麻子(佐久間由衣)や、一匹おおかみの柴田茉希(山本舞香)も、こうした部活モノには欠かせないキャラクター。恐れることも、奇をてらうこともなく、『チア☆ダン』は王道を突き進んでいる。
 王道というのは、強い。私たちのDNAには、これまで数々の青春ドラマが築き上げてきた王道がしっかりと組み込まれている。だからこそ、真っ正面から王道を貫かれると、細胞が自然反応するのだ。

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最終更新:9/14(金) 23:01
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