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10~15年かけて症状が徐々に深刻化!肺を脅かす「タバコ病」って?

9/19(水) 12:12配信

OurAge

「COPDという言葉はまだあまり耳慣れないかもしれませんが、日本人の死亡原因のトップ10にもランクインしている病気です」と話してくれたのは、ハーバード大学医学部内科客員教授の根来秀行教授だ。

「COPDとは、慢性閉塞性肺疾患のこと。タバコの煙や大気汚染、粉塵など有害な空気を長期間吸い込むことで、気管支や肺に炎症が起こり、組織が壊れてしまう病気です。患者の9割以上が喫煙者のため、『タバコ病』とも呼ばれます」

慢性気管支炎や肺気腫を伴うことが多く、息を吸ってもうまく吐き出すことができず、呼吸困難に陥ってしまうそう。

「10から15年かけて徐々に症状が増していき、末期になると酸素吸入しても溺れているような苦しさが継続します」

【COPDチェック】
□同世代の人と歩くと自分だけ遅れる
□階段や坂道を上るとひどく息切れがする
□冬になると朝方に咳・痰が出る
□風邪でもないのに痰がからむ
□前かがみになると動悸や息切れがする
□呼吸をするとゼイゼイ・ヒューヒュー音がする
□20年以上、煙草を吸っている、またはかつて吸っていた

「最近、人間ドックなどで『肺年齢』の検査として行われている『肺機能検査(スパイロメトリー)』は、COPDの早期発見に役立ちます。肺にある空気をどれだけ多く、長く吐き出せるかを調べる簡単な検査で、10分ほどで終わります。上のチェックリストで該当項目がある人は、1度この検査を受けてみるといいですね」

◆ COPDの男女比は?

男性の方が喫煙者は多いこともあり、女性より男性患者の方が2~3倍以上多いそうだ。また、自分では喫煙しなくとも、受動喫煙の機会が増えるとCOPDや肺がんのリスクが高まることが明らかになっている。女性喫煙者の中には、「タバコをやめたら食欲が出て太るからやめられない」という人もいるようだが…。

「ニコチンには、脳の視床下部を刺激して食欲を抑える働きがあります。そのため、喫煙中は無意識のうちに食欲が抑制されているんです。禁煙すると、今まで抑えられていた食欲が通常に戻るため、禁煙したとたんに食欲が今までよりも増加し、食事の量が増えることで太ってしまうということはあるでしょうね」

味覚が正常に戻っておいしく食べられるようになるから、食欲が増すと考えられるとも。

「タバコを吸うと体内で活性酸素がどんどん作られますが、活性酸素は亜鉛を消費するんですよ。亜鉛は味覚に関係があって、不足すると食べ物をおいしいと感じられなくなることがあります。これは喫煙者には多く見られる味覚障害のひとつです」

さらに喫煙は美容的にも問題アリ、と根来教授は続ける。

「タバコを吸う人に共通する顔の老化パターンがあって、目もとや口もとに深いシワができる、肌がくすみ暗くなる、唇がカサカサ、歯や歯茎がどす黒く変色、白髪が増えるなど独特の老け顔になり『スモーカーズフェイス』と呼ばれます。これには喫煙に伴う毛細血管の劣化も、少なからず影響しています」

◆禁煙すれば病気のリスクは低くなる?

長年のヘビースモーカーはすでに肺にダメージがあると思うが、禁煙をすれば、傷ついた肺の細胞も回復できたりするのだろうか?

「残念ながら、禁煙したからといって、傷ついた肺の細胞を回復させることはできません。それでもこれ以上の肺へのダメージを減らし、肺機能低下のスピードを緩やかにすることはできます。禁煙を1ヶ月続けると、咳やたんなどの呼吸器の症状が改善します。COPD患者でも、1年禁煙すれば、肺の機能に改善がみられます」

禁煙期間が2~4年になると、狭心症や心筋梗塞などの心臓の病気のリスクが、タバコを吸う人と比べて著しく低下するそうだ。

「さらに10~15年禁煙すると、咽頭がんのリスクが60%、10~19年で肺がんのリスクが70%も低下します。20年禁煙すれば口腔がんのリスクが、タバコを吸わない人と同レベルになるといわれています」

ちなみに、電子タバコや加熱式タバコなどの新型タバコなら安全と思われがちだが、程度の差はあれ、発がん性や受動喫煙のリスクはある、と根来教授。
「自分のためにも周りの人のためにも、1日も早い禁煙をすすめます」

最終更新:9/19(水) 12:12
OurAge

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