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準惑星ケレスで見つかった「氷の火山」、謎を解明

9/19(水) 18:02配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

火山の成り立ちに新たな説明、だがエネルギー源はいまだ不明

 準惑星ケレスは、火星と木星の間の小惑星帯にある最大の天体だ。この星で氷を噴き出す火山が見つかったことがきっかけで、数多くの謎が浮かび上がった。なぜ火山は一つしか見つからないのか? 地質活動のエネルギーはどこから得ているのか?

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 9月17日付けの学術誌「Nature Astronomy」に発表された論文は、これらの謎に一つの答えを示した。過去10億年の間、ケレスでは複数の火山が絶えず活動していたのではないかというのだ。

 NASAの無人探査機ドーンは、2015年3月にケレスの周回軌道へ入って以降、氷に覆われた地形や輝く謎の点などを間近にとらえた写真を地球に送り続けている。

 ケレスの軌道に入って数カ月後、ドーンはやけに奇妙なものを発見した。高さ3900メートルを超えるピラミッドのような山である。若い火山のようだが、地質活動はほとんどないと考えられているケレスになぜそんなものがあるのか?

 若い火山が一つしか見つからないのも謎だ。太陽の周りを45億年も周回してきたケレスが、最近になって突然火山活動を始めたというのだろうか?

氷の火山とは

 謎の山はアフナ山と名付けられ、2016年の論文で、やはり火山であると発表された。しかし、アフナ山からは炎や硫黄ではなく、氷や水、その他の物質を含む「氷の溶岩」が流れ出ていたという。ケレス内部の温度は、岩石が溶けるほど高温ではない。

「それでも、氷を解かすのには十分な熱さでした」と、2016年の論文でこの火山を研究した欧州宇宙機関のオッタビアーノ・ルーシュ氏は語る。

 氷の噴火とは奇妙に聞こえるかもしれないが、ほかにもエンケラドスやエウロパ、トリトンなどの衛星で観測されており、太陽系外縁部にもほぼ間違いなくあるとされる。噴火は天体内部の熱によって引き起こされるが、その熱は、惑星の周りを回る衛星の場合、惑星との重力相互作用によって発生すると考えられている。火山から噴出する物質からは、地球外生命が見つかるかもしれないと期待されている。

 科学者が初めて氷火山の存在を知ったのは、1989年に探査機ボイジャーが海王星の衛星トリトンに接近した際のことだった。ボイジャーの撮影した写真には、トリトンの表面から噴き出す氷の間欠泉らしきものが写っていた。

 NASAジェット推進研究所のロザリー・ロペス氏は言う。「ここまで来るのに色々ありましたが、今では氷の噴火が思っていたよりもよくある現象ではないかということがわかっています。でも、そのメカニズムはまだ解明されていません」。ロペス氏は、今回の研究には関与していない。

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