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「ノーマ」の元料理長ジュスティ氏、子供たちの食事のあり方を変えたいと考えている

2018/9/19(水) 19:50配信

エスクァイア

世界一のレストランとして名高い「ノーマ」の元料理長が、自分の才能を高級レストランの世界から公立学校の食堂に持ち込もうとしています。

【 写真 】トップシェフが伝授する「卵料理を完璧に作る方法」

高級レストランで学んだことを公立学校の食堂へ

 「MAD」というフード関連のカンファレンスが、2018年9月にデンマーク・コペンハーゲンで2日間にわたって行われていました(以前は毎年行われいたこのイベントですが、現在では隔年開催となっています)。
 
 このイベントは2011年に、ルネ・レゼピ氏(有名レストラン「ノーマ」のオーナーシェフ)が始めた非営利のイベントです。第6回目となった2018年は、世界から何百人ものレストラン経営者や起業家、ジャーナリスト、それにグローバルなフード・コミュニティで活動する人々がこの業界にあるギャップを埋めようと参加。そしてキッチンの内側と外側の両方で、世界をより良い場所に変えるための方法についての議論を交わしていました。 
 
 このイベントには、ララ・ギルモア氏やネイト・ムック氏など、本当の意味で社会に影響を与えている料理界の重鎮たちも多数参加していました。 
 
 ギルモアさんが夫のマッシモ・ボットゥーラさん(「オステリア・フランチェスカーナ」のシェフ)とともに始めた「フード・フォー・ソウル」という組織では、世界各地のコミュニティキッチンを通じて、ゴミとなる食料をなくし、食料に関連する安全保障問題をなくそうとしています。 
 
 また、ムックさんがエグゼクティブ・ディレクターを務めるワールド・セントラル・キッチンは、元々ホセ・アンドレさんが始めた非営利組織で被災地に食料を提供することを狙いとする同組織。そこでは、例えば昨年ハリケーン「マリア」の被害を受けたプエルトリコの人々に、累計約350万もの食品を提供しているそうです。

ブリゲイドでは、学校の調理室にシェフを常駐させている

 ダン・ジュスティ氏も、このイベントに参加していた大物のひとりです。
 
 ジュスティ氏は以前、「ノーマ」でヘッドシェフとして働いた人物で同レストランを離れた後、学校給食の改善を使命とする「ブリゲイド(BRIGAI)」という自分の事業を立ち上げました。
 
 ジュスティ氏はクリス・イン氏との対談形式の基調講演に登場し、彼の話に刺激を受けた聴衆からスタンディングオベーションを浴びていました。なお以前、「Lucky Peach」という雑誌の編集者をしていたインさんは、現在はMADと協力しながら「Dispatches」という新しい書籍のシリーズをプロデュースしています。 

 多くの学校給食には予め調理した、調理室では袋から出して温めるだけの料理がたくさん使われています。
 
 こうした料理は、「食事に対するこだわりに対する、お粗末な言い訳に過ぎない」と「ブリゲイド」では判断しているようです。そこで彼らは学校の調理室にシェフを常駐させることで、生徒たちが口にするものに変革を与えようとしているのです。「ブリゲイド」のシェフたちは学校の調理室で、本物の生の素材を使った料理をいちから準備しているそうです。 

 
 ジュスティ氏は手始めに、米コネチカット州のニューロンドン学校区にある6つの学校で、「ブリゲイド」の活動を開始しました。彼はここで、意味のある影響を与えることができると考えたようです。
 
「コネチカット州は昔からとても裕福な州だが、また統計的に富裕層と貧困層との差がもっとも大きい州でもある」とジュスティさんは説明しています。また、「ニューロンドンの子供たちの4人に1人が貧困層で、また3600人いる生徒のうち70人は法的にホームレスの状態にある」ともジュスティさんは話します。 
 
 これを別の言葉で言うなら、「多くの子供たちが食事に関して学校頼みということで、学校給食はこうした子供たちが口にする唯一の食事」ということになります。「きちんとした食べ物を口にするだけの価値は、すべての人にある」とジュスティ氏は加えてコメントしています。

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最終更新:2018/9/19(水) 19:50
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