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伊藤忠と同じ給料下さい! ファミマ社長が無名のユニクロ転職、柳井氏に会い即断も…

9/20(木) 0:10配信

NIKKEI STYLE

 連載でお届けしているファミリーマート社長、沢田貴司氏の「仕事人秘録セレクション」。第10回は伊藤忠商事を辞めた沢田氏が、まだ無名だった「ユニクロ」のファーストリテイリングに転職する際の秘話を語ります(文中の社名、肩書、年齢等は原則として新聞掲載当時のもの)。
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再就職先は「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング。社会現象にもなったフリースブームの前のことだったので、その社名すら知らなかった。

 伊藤忠商事を辞める決意をして早速、取りかかったのは次の職探しです。転職をあっせんしてくれる会社に登録をしました。しばらくすると「一度、(ファストリ本社のある山口県の)宇部市に行って社長の柳井正さんに会ってみてください」という話が来ました。

 すでにファストリは広島証券取引所に上場を果たしていましたが、決算書を見ると売上高が約400億円、営業利益が20億円くらいの会社でした。それでも「つぶれる会社ではないな」と思ったので飛行機で宇部に向かいました。1996年末か97年年明け早々のころだと思います。

 「木訥(ぼくとつ)な人だな」というのが最初の柳井さんの印象でしたが、言葉の端々から小売業への並々ならぬ情熱が伝わってきました。そして、いくつかのエクセレントカンパニーの名前を挙げて「自分は衣料の仕事を通じて、そういった会社に負けないような存在感のある会社をつくりたい」と言い切るのです。

 一方で仕事や会社の説明は合理的でロジカル。「この人、すごいな。面白いんじゃないかな」。即座に入社を決意しました。

 ただ、問題は住宅ローンでした。バブル期に買ったマンションのローンが相当、残っていたのです。それで思い切って「最初の1年間は伊藤忠時代の給料を下さい」と頼んでみました。すんなり了承してもらいました。

97年4月末にファストリに入社すると、柳井社長から一冊の本を渡された。

 米国のコングロマリット、ITTの社長兼最高経営責任者として58四半期連続の増益を遂げたハロルド・ジェニーン氏の『プロフェッショナルマネジャー』という本でした。

 何度も読み込まれボロボロになっていました。至る所に柳井さんが引いた線があり、その箇所は全部頭の中にたたき込みました。

 柳井さんからの指示は「今の会社を分析してちゃんと整備してほしい」。プロフェッショナルマネジャーに書かれていたことの実践が始まりました。

 手始めは店舗の視察です。驚いたのは従業員がユニクロの商品を着ていないことでした。これでは自信を持って接客などできるはずはありません。

 商品開発も東京、大阪、ニューヨークに分かれたデザイン事務所が別々に手掛けていました。中国にある約140カ所の協力工場もレベルがそろっていませんでした。

 そこで「こんなことではいい洋服なんて到底、つくれません」と柳井さんに進言しました。

 デザイン事務所の統合、工場の集約などの改革が始まりました。もめ事はありましたが会社の空気が少しずつ変わり始めました。
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[日経産業新聞2014年2月27日付]

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最終更新:9/20(木) 0:10
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