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「叩いてしつける」を“必要悪”と思う親たちへ

9/22(土) 8:00配信

東洋経済オンライン

しつけのために手やお尻を叩くのはアリだろう、自分も親に叩かれて育ったからわが家も同じように子どもを叩いて育てる方針だ――子育てにおけるしつけには明確な答えがなく、それぞれが“持論”をもとに育児をしている現状がある。
しかし、「子育てに『怒鳴る』『叩く』はいっさい必要ない」と言うのは、子育てアドバイザーの高祖常子氏だ。子どもの人権を守るための多数の委員を歴任し、スウェーデンなどの子育て先進国の取材も重ねてきた高祖氏が提唱する、「怒鳴らない、叩かない」子育てとは。

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■「しつけのためには怒鳴る、叩くは必要」が5割

 私は現在、「怒鳴らない、叩かない」子育てを広めるために活動をしています。育児中のみなさんも、きっと、なるべくなら子どもを怒鳴ったり叩いたりせずに育てたいと考えていることでしょう。

 ですが一方で、「本当にそれでしつけができるの?」「ときには強く叱ることも必要なのでは?」という思いを持つ人は少なくないようです。

実際、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの2万人アンケート(2017年7月実施)によると、約7割が「しつけの一環として子どもを叩いたことがある」と回答。56.8%が「しつけのための体罰を容認」しています。

 なかなか泣き止まないとき、言うことを聞かないとき、大切な物を壊されたとき……つい子どもに対して手を上げたくなることもあるかもしれません。また、子どもが興奮して話しても聞かないときに、気持ちを切り替えさせるため叩く、悪い行動をやめさせるために叩く、という意見もあります。

 たしかに、「怒鳴る」「叩く」というのは、即効性のある行為です。なぜかというと、子どもがびっくりしたり、怖がったりして、その行為をいったんはやめるからです。でも本当に「怒鳴る」「叩く」という選択肢しかないのでしょうか?  その選択は正しいのでしょうか? 

私たちが子どもの頃は、怒鳴られたり、叩かれて育った人が多かったかもしれません。でも今はたくさんのエビデンスもあり、「怒鳴る」「叩く」子育ては子どもの成長によい影響を与えない(子ども時代の辛い体験により傷つく脳。厚生労働省「愛の鞭ゼロ作戦」)ことがわかってきています。

 「子ども自身は否定せず、この手が悪いと手だけ叩く」「お尻を叩く」という方法ならいいだろう……と思いきや、3歳半までにお尻などを叩かれた子が5歳半のときに問題行動を起こす(「落ち着いて話を聞けない」「約束を守れない」など)リスクが高いという研究結果が報告されています。(2017年藤原武男・東京医科歯科大学教授らによる研究結果)。

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