ここから本文です

2時間1分台の世界新より恐るべき、キプチョゲの「ラスト2.195km」。

9/22(土) 11:01配信

Number Web

 ベルリンマラソンでエリウド・キプチョゲ(ケニア)が2時間1分39秒の世界新記録をマークした。従来の記録2時間2分台(2時間2分57秒)をあっさり、なんと1分18秒も大幅に破った偉業である。

 実は、レースの日の早朝「ベルリンではキプチョゲが1分台を出すかもしれませんね」というタイム予想を、シドニーマラソン解説の直後にテレビ局関係者と話していた。彼なら2時間2分台の世界記録では満足しないと思ったからだ。

 キプチョゲの勝負強さは、リオ五輪(2016年)の金メダルが物語っている。

 また、世界記録更新の可能性がいかに高かったかということも、昨年5月にフルマラソンでの2時間切りを目指すイベントとして開催された「ブレイキング2」で実証済みである。

 非公認とはいえ、キプチョゲはすでに42.195キロを2時間0分25秒で走っているのだ。

 だから正直、10年前の2008年、ベルリンマラソンで2時間4分の壁を世界で初めて破ったハイレ・ゲブレセラシエ(エチオピア)のときほどの衝撃はない。

キプチョゲはいまだ進化の過程。

 では当時と今では、何が違うのか? 

 ゲブレセラシエの時は、1つの大きな壁が破られた歴史的偉業という印象が強かった。

 キプチョゲの場合、オリンピック金メダルと世界記録という2つを称号を得たことで、間違いなく世界No.1のマラソンランナーである。ただ彼は、いまだ進化している過程での記録更新という印象なのである。

 車で言えば、時速300キロ近く出せるスポーツカーでありながら、燃費もハイブリッドカーに負けないという性能を持つスーパーマシンなのだ。

残り2.195キロのペースに仰天。

 この10年で5回も世界記録がマークされたベルリンマラソン。好記録が出る要素は3つある。アップダウンがほとんどない高速コース、暑すぎず寒すぎない絶好の気候、そして、高速レースにも対応できるペースランナーの存在だ。

 それゆえケニア、エチオピアを中心に世界記録更新を目指すトップランナーが毎年集まる。今回も25キロまで5キロ14分20~30秒台の安定したペースでレースは進んだ。25キロを過ぎてペースランナーがいなくなってからも、キプチョゲは単独でそのペースを維持した。

 そして最後がすごかった! 

 40キロ地点を過ぎた残り2.195キロをキプチョゲはとんでもないダッシュでフィニッシュまで駆け抜けたのだ。

1/2ページ

最終更新:9/22(土) 11:01
Number Web

記事提供社からのご案内(外部サイト)

Sports Graphic Number

文藝春秋

963号
10月11日発売

定価590円(税込)

大谷翔平 旋風の軌跡。

【スペシャルインタビュー】 大谷翔平「激動の1年を語る」
【全米が見た二刀流】 イチロー/バーランダー

Yahoo!ニュースからのお知らせ(10月17日)