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一般ライダーが思う、自動運転×バイクのモヤモヤ白書

9/23(日) 12:06配信

WEBヤングマシン

いよいよ来年は、マンガ/映画「AKIRA」の世界が描かれた2019年。いま現在、東京湾にNEO-TOKYOは存在しないが、2020東京五輪というイベントをひとつの目標に、クルマの自動運転技術が急速に進み始めている。そこで気になるのがバイクが今後どう扱われ進化していくのか? 一般ライダー目線を強く持つ高橋剛さんに話を伺った。 ※ヤングマシン2018年8月号(6月24日発売)より

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進化してほしいものと、取り残されてほしいもの

ヤマハSRはめんどくさいバイクだ。エンジンをかける方法は次の通り。イグニッションキーをオンにする。左ハンドルのデコンプレバーを引く。キックインジケーターを覗きながらキックペダルを軽く踏み、小窓にシルバーが表示される位置に合わせる。そして、体重を乗せてキックペダルを思いっ切り踏み込む。エンジンがかかる。……めんどくさ。ボタン1発でエンジンがかかるセル式に比べて、ひと手間もふた手間もかかる。

しかしヤマハWebサイトの開発ストーリーによると、キックスタートはこだわりの装備らしい。ウェブには、SRがキャブレターからフューエルインジェクションに切り替わる際、始動しやすいキックの実現のためにどれだけ苦労したかが切々と綴られている。「わざわざキックスタートの開発で苦労するぐらいなら、一般的なセル式にすればいいじゃん……」と思うが、ヤマハはそれを良しとしない。「たくさんの人にキックを踏んでもらい、多種多様なクランク回転のデータを収集し、エンジン始動条件を設定(ヤマハWebサイトより)」することで、FIでも始動性良好なキックスタートを実現したのである。そこまでこだわる理由も、サイトにはしっかり記載されている。「キックペダルでエンジンを掛けるオートバイがSRだからです」。……最強の理屈だ。SRはキックスタートである。だからFIになっても、キックスタートである。……鉄板だ。そして、その頑なな節度が素晴らしいと思う。時代はとっくにセル式が当たり前なのに、「SRはキックだからキックなの!」と言い張って譲らない。

そして、「めんどくさい」と書いたが、実際にはそれほどめんどくさくない。それどころか、キック1発でエンジンがかかった時の「してやったり!」という達成感は、ささやかだけれど、結構大きい。「どうだ!」と。そうやってキック始動を繰り返すうちに、「オレのバイク」感が増していく。めんどくささの先で、自分とバイクの関係が密接になっていく。バイクっていうのは、そもそもがめんどくさくて、それでも、いや、それだからこそ、わざわざ乗りたくなるというややこしい乗り物なのだ。SRはバイクの本質的な魅力を教えてくれる。「バイクって、こういうことなんじゃないの?」とメッセージしてくるのだ。

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最終更新:9/23(日) 12:07
WEBヤングマシン

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ヤングマシン

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