ここから本文です

社会起業前夜【2】やってはいけない「しんどい」経営

10/3(水) 15:03配信

オルタナ

環境省では社会起業家によるリレートークを行っています。毎月、社会起業の最前線で活躍する起業家を一人ゲストに招き、創業した経緯や事業のつくり方など等身大の物語を話してもらいます。この特集「社会起業前夜」では、ゲストが話した内容から社会起業に大切なキーエッセンスを紹介します。(オルタナS編集長=池田 真隆)

第2回のゲストに登壇したのは、京都で野菜のEC販売などを行う坂ノ途中(京都市)を立ち上げた小野邦彦さん。小野さんが起業したのは2009年。農薬や化学肥料を使わずに育てた約400種類の野菜を取り扱い、インターネット通販やレストランへの卸を行っています。取引している農家は200件に及び、その内の9割が新規就農者です。

会社名を坂ノ途中としたのは、険しい坂道を登るような挑戦をしている新規就農者のパートナーでありたいという思いから。新規就農者は規模が小さいことが多く、安定供給ができないでいます。だから既存の流通には乗りません。

一方で、有機農業など、環境へ配慮した農業を志す人は多く、農業がサスティナブルになるためには、新規就農者の活躍が欠かせないというのが坂ノ途中の考えです。なお日本では、有機農産物は、農産物全体の0.5%程度です。有機JAS制度では、有機農業の定義について、農薬と化学肥料を2年以上(果物は3年)不使用で、かつ、種まきや植え付け前に2年以上許容された資材以外使わない農地で栽培されたものと定義しています。

有機農家の販路開拓を支援するためのウェブサイトも運営しています。それは、「farmO(ファーモ)」という名称で、現在、350以上の有機農家と150以上の流通業者や飲食店オーナーなどが登録しています。

農家と買い手がそれぞれ自己紹介ページをもち、それをもとにコミュニケーションが生まれ、販売先や仕入れ先の開拓につながります。

2012年には、ウガンダで有機農業の普及を目指す取組を始め、2016年からはラオスで、美味しいコーヒーをつくるメコンオーガニックプロジェクトを展開しています。

小野さんが話した中で、最も印象に残ったことは、「起業してから、やってきたことと、やらなかったこと」を説明したシーンです。やったことは、実にシンプルです。それは、「大切なものを大切にしてきた」ということです。

小野さんは創業当時のあるエピソードを明かしてくれました。レストラン向けの卸から始めたのですが、競合と差別化するために「珍しい西洋野菜、いろいろあります」といった、顧客のメリットをメッセージとして打ち出していました。しかし、その結果、「しましまのナス一袋だけという注文も少なくなかった。都合良く扱われた」と言います。

1/2ページ

最終更新:10/3(水) 15:03
オルタナ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

あなたにおすすめの記事