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膵臓がん、「5年生存率8%未満」でも絶対に諦めてはいけない理由

10/7(日) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

● 膵臓がんのサバイバー生存率は 他のがんに比べて急激に改善する

 がん治療の成績を評価する重要な指標として生存率があり、治療によるがんの根治性を評価するために5年生存率や10年生存率が注目される。

 それらとは別に、「サバイバー生存率」という指標がある。これは、診断から一定年数経過した時に生存している人(サバイバー)のその後の生存率のことを言う。英語では、conditional survival rate(条件付き生存率)と表現される。例えば、1年サバイバーの5年生存率は、診断から1年後の時点で生存している人に限って算出したその後の5年生存率(診断からは実質6年後)の生存率のことを言う。

 膵臓がんは5年生存率や10年生存率が極めて低いことはよく知られている。例えば、厚労省が最近統計を出した「がん全体の5年相対生存率」は62.1%であるのに対して、膵臓がんの5年相対生存率は8%弱。全てのがんの中で唯一突出して低い。しかし、膵臓がんの診断から5年後サバイバーの5年相対生存率は80%にも及び、胃がんや大腸がんの生存率に肉薄する。

 そもそも、サバイバーの5年生存率は、がんを生き延びた期間が長くなれば長くなるほど上昇する。がんを一定期間生き延びた人に限定してその後の生存率を見ると、がんと診断された直後の人全体の生存率よりは良くなるのは自然だ。しかし、膵臓がんは他のがんに比べてサバイバー生存率の上昇率がことさら大きい。膵臓がんと診断されてから1年でも2年でも生き延びれば、その後の生存率は他のがんと比較してより急速に改善していく。

 これは、膵臓がんはそもそも難治性で5年10年生存率は最低だが、診断後生き延びれば延びるほどその後の生存率は急激に伸長し、他のがんと遜色ない状況になるということを意味する。治療が功を奏して少しでも生き延びることができれば、その先の生存の可能性はさらに大きくなるのだ。統計上の数字と言えばそれまでだが、膵臓がんと診断されても希望をもって治療を進めることは無意味ではない。

 >>「膵臓がん早期発見の可能性も、医師が勧める「負担の少ない検査」とは」に続く

 (北青山Dクリニック院長 阿保義久)

阿保義久

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