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トロロッソ・ホンダ、鈴鹿で悲喜こもごも。予選はもっと上に行けたはず

10/10(水) 11:39配信

webスポルティーバ

 2018年の日本GPはトロロッソ・ホンダにとって、悲喜こもごものレースとなった。

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 世界屈指のテクニカルサーキットであり、マシンの総合力が問われる鈴鹿サーキットは、各チームの実力を丸裸にする。その場所でトロロッソ・ホンダは、予選で6位・7位という好結果を勝ち獲った。しかし、決勝ではズルズルと後退し、2台ともにポイントを獲得することすらできなかった。

 日本GPで彼らが経験した「明と暗」を振り返っていきたい。

 雨まじりの難しいコンディションで行なわれた予選でQ3に進出し、6位という自己最高の結果を手にしたブレンドン・ハートレイは、少し感情的になっていた。

「すごくいい気分だったよ。インラップは少しエモーショナルになってしまった。普段はそんなことないけど、この半年間のよかったこと、悪かったこと、さまざまが思い出されて……。僕自身が成長してきたことはわかっていた。だけど、それを結果で証明するチャンスがなかなか巡ってこなかった。

 ピエール(・ガスリー)に0.1秒や0.05秒の差で予選の結果が大きく違ってしまったり、レース戦略がよくなかったり、運が思うようにきてくれなかったり……。自分自身はどんどんよくなっているのに、それを証明するチャンスがないからフラストレーションが募(つの)っていた。でも今日、それがようやく果たせた。だから今日は、最高の気分だよ」

 これまで思うように結果を出せず、周囲からの評価が下がっているのも自覚していた。自分自身としては成長しているにもかかわらず、ほんのわずかな差でピエール・ガスリーとの順位差が大きなものになっていることに焦りもあった。それがようやく、結果という形で示すことができたのだ。

 トロロッソは日本GPに向けて、サスペンション周りに新たなフィロソフィを投入し、レーキ(前傾角度)セッティングを変えた。金曜のフリー走行でリアエンドのディフューザー後方に大がかりな気流センサーを装着し、データ収集を行なっていたのはそのためだ。

 風向きの変化に弱いSTR13の空力特性は、これによってかなり改善されたようだ。チーフレースエンジニアのジョナサン・エドルスはこう説明する。

「鈴鹿は非常に高速コーナーが多いサーキットなので、空力パッケージの性能を安定させることが大きな効果をもたらす。だから我々はここに新パーツを投入し、最初のフリー走行でブレンドンのマシンにセンサーを装着してデータ収集し、風洞やCFDと実走の誤差を確認した。このアップデートがうまく機能したので、2台ともに週末を通して実戦使用することにしたんだ」

 ドライバーたちも走り始めは、コーナー入口での不安定さやコーナー途中でのフロントの抜けを訴えていた。だが、セッティングの調整によって金曜の走行を終えるころには、ふたりとも満足のいく挙動に仕上がっていた。

 空力的には第9戦・オーストリアGPで投入したフロントウイングが機能せず、細かなアップデートも第10戦・イギリスGPを最後に投入できていない。「大まかに言えば、空力パッケージはシーズン序盤戦のままだ」と、ガスリーも進歩の遅さに不安を述べていた。しかし、今回のメカニカル面のアップデートで、STR13はかなりポテンシャルを取り戻したと言えそうだ。

 そしてなにより大きかったのが、パワーユニットの進歩だ。

 日本GPに向けて、ホンダは前戦ロシアGPの金曜に使用したスペック3のパワーユニットを実戦投入してきた。ベンチテストでさらなるセッティングの熟成を進め、ロシアで直面したシフトアップ時のオシレーション(回転数振動)やドライバビリティを改善してきたのだ。

 ハートレイは、その恩恵を最大限に享受した。

「メディアで報じられている馬力数とか、ラップタイムで0.5秒とかいうのが実際にどうなのか、本当の数字は知らないよ。だけど、中団グループはとてもタイトだからパワーユニットの進化がもたらしてくれた効果は大きかったし、スペック2のままではQ3進出は難しかっただろう。

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最終更新:10/10(水) 11:39
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