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【パナマ戦プレビュー】森保J、試されるロシアW杯組と次世代の融合。今こそ見つけたい新たな可能性

10/12(金) 11:20配信

フットボールチャンネル

日本代表は12日にパナマ代表との国際親善試合に挑む。森保一監督率いるチームには、ロシアワールドカップで主力を担った、頼もしい6人が招集された。彼らとフレッシュな戦力とをいかに融合し、アジアカップに向けて最適解を見つけていけるか。現時点の実力を測る重要な一戦となる。(取材・文:河治良幸)

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●原口元気のダイナミズムを生かすには?

 森保一監督が率いる日本代表は12日にパナマ代表と対戦する。ロシアワールドカップ出場国であるパナマは9月の親善試合では若手中心のメンバーでベネズエラに敗れているが、ガリー・ステンペル監督が「JFAとパナマの間で少なくともワールドカップのメンバーを15人以上連れてくる」という合意があることを明かしたた通り、今回の遠征にはロシアワールドカップを経験した多くの選手が帯同している。

 その1人であるアニバル・ゴドイはロシアワールドカップでの基本システムだった[4-1-4-1]よりも攻撃的な形になることを示唆しており、中島翔哉と同じポルトガルリーグのサンタ・クララでプレーするFWアブディエル・アロヨなどの攻撃力を生かす[4-2-3-1]あるいは[4-4-2]といった形で臨んでくる可能性もある。

 パナマについて「我々の力を試す意味でも素晴らしい相手」と語る森保監督だが、やはり16日のウルグアイ戦を見据えれば、パナマ戦である程度のテストをしておく必要はある。1つポイントになるのは吉田麻也、酒井宏樹、長友佑都、柴崎岳、原口元気、大迫勇也というロシアワールドカップ主力組をパナマ戦でどう起用してくるかだ。

 チームの融合を今回のテーマに掲げる森保監督。フルメンバーを入れて6人+コスタリカ戦の主力という形がオーソドックスな予想になるが、焦点になるのは原口が入る2列目、柴崎の本職であるボランチの組み合わせだ。コスタリカ戦は堂安律、南野拓実、中島翔哉の3人が2列目で躍動したが、攻守にハードワークできてバランス感覚もある原口が一角に入ることで、また違ったダイナミズムが生まれてくることも期待できる。

 原口は左右のサイドでプレーできるが、仮にロシアワールドカップと同じ右サイドに入った場合は現在フローニンゲンでも中央でのプレー機会が増えてきている堂安がトップ下の候補になってくる可能性もある。逆に原口が左に入り、南野、堂安との組み合わせになっても、これまでと違った効果が表れてくるはず。競争と融合がどう図られてくるかは森保監督の裁量しだいだ。

●ボランチのバランスを見出すには?

 ボランチはコスタリカ戦でスタメンだった青山敏弘と遠藤航のコンビをそのまま継続させるのか、柴崎がどちらかに入るのかが注目ポイントになる。組み立てやゲームコントロールに優れる柴崎。大きなタイプ分けでは青山と重なる部分はあるが、柴崎は「また青さんとは違ったタイプなのかなと僕自身は感じてますけど、そこは監督がどういったことをするのかによっても変わります」と語る。

 基本的には縦に正確なパスを入れていく能力が高い青山に比べ、柴崎は広い視野を生かしてワイドに組み立てながら、機を見て縦を狙っていく。ともに守備では高い位置でボールを奪いにいくプレーを得意とするが、青山はJ1で優勝争いを演じるサンフレッチェ広島で、バランスワークやカバーリングも身につけており、共存は可能だ。

 ただ攻守のバランスを重視する森保監督だけに、チームの心臓であるポジションは慎重に考えるべきところ。その意味で遠藤か三竿健斗のどちらかは先発に入ることが考えられる。もともと前所属の浦和レッズでは3バックの一角を担うなど、守備のスペシャリストのイメージが強い遠藤だが、ベルギーでは中盤で継続的に起用され、攻撃面にも磨きをかけている。コスタリカ戦では南野のゴールをアシストするなど「やっぱりゴールに関わるプレーは増やしていきたい」という姿勢を示したが、さらにテーマとして意識しているのが中盤からの組み立てだ。

「中盤をやるにあたって最初はシンプルに1タッチ、2タッチで速く動かすイメージを自分の中では持ってプレーしてたんですけど、ベルギーに行って変わったのは中盤の選手でもある程度ボールを持ってじゃないですけど、1人剥がしていきながら展開するようなプレーというのはうまいし、日本と違って1人ひとりの距離感が遠い中でプレーをするシーンが多い」

 そう語る遠藤が相棒となるボランチの選手とどうバランスを取りながら、組み立てに新たなエッセンスを加えていくかどうかも見どころだ。また三竿も中盤でバランスをとりながら状況に応じてロングパスや3月のマリ戦で中島のゴールをアシストしたような攻撃参加もできる。実際に2日目のミニゲームでは遠藤のパスを起点に、速いクロスで柴崎のゴールを演出しており、長い出場時間を得られれば、そうした攻撃センスの見せ場も出てくるかもしれない。

●サイドバックの役割は?

 このように基本的にゲームメイクを司る青山と柴崎、よりバランスワークを担う遠藤と三竿という大きなタイプ分けはできるものの、そこまで攻撃と守備で明確な棲みわけができるでもない中で、森保監督がどういう組み合わせをパナマ戦のベストと考えるか。ただ、ポジションの特徴として、ボランチが最も消耗が激しくなることが想定されるだけに、パナマ戦とウルグアイ戦を合わせて180分で選手を入れ替えながら全ての組み合わせが試される可能性が高い。

 これら2つのポジションに比べると1トップの大迫、左右サイドバックの長友と酒井、キャプテンにも指名されたセンターバックの吉田は特にコンディションの問題がない限りはスタメン濃厚と見られる。「また違った代表、若い選手たちが見せてくれたなと思っていて、僕たちが若い頃に出てきたばかりでギラギラしていた何の恐れもないプレーを彼らが見せてくれた」と語る長友だが、真剣勝負になるほど勢いだけでは勝っていけない。

「そこを整えるのが僕らの仕事かなと思っています。僕だったり(吉田)麻也だったりが、だから勢いだけでは正直勝てないし、ワールドカップも見ての通りインテリジェンスがないと戦えないので、そういう経験という鵜ものを彼らにも伝えたいし、ただギラギラ感というのは失って欲しくないので、僕らがうまくバランスをとって整えていければなというのは思います」(長友)

 もともとはガンガン攻め上がり、攻撃を活性化するタイプだった長友もサイドからのサポートやバランスワークが熟練してきており、攻撃陣の積極的な仕掛けを支える役割もアジアカップに向けて大きくなってきそうだ。

 また酒井も自分はリーダータイプではないと前置きしながらも「何かあった時に自分のところで責任を負えるようなプレーをしないといけない」と語る。日本代表の両輪である両サイドバックは融合の重要な鍵とも言える。

●世界基準のセンターバックコンビ誕生も?

 1トップの大迫は2列目の攻撃をどう引き出し、フィニッシュに迫力を出せるかが注目される。コスタリカ戦では小林悠が南野と近い距離感を意識しながら、堂安、中島とも1タッチ、2タッチで柔軟に絡んで仕掛けを引き出していたが、より縦のクサビを受ける能力が高く、ボールキープ力に優れる大迫が入ることでどういう変化が生まれるかが大きな注目どころだ。

 吉田はキャプテンマークを巻くだけでなく、当然ディフェンスリーダーとしての役割も期待される。良くも悪くも前がかりな攻撃陣を背後からどうコントロールしていくか。前述のボランチがどう生きてくるかも後方からのビルドアップと最終ラインの統率を司る吉田にかかる比重が大きい。そしてパートナーを誰が務めるか。

 経験値から考えれば、ロシアワールドカップ出場メンバーでもある槙野智章との組み合わせが安定するが、この時期のチャレンジということを優先するなら、コスタリカ戦で上々のパフォーマンスを見せた三浦弦太か、そのコスタリカ戦で出番がなかったものの、引き続き招集された冨安健洋と組ませる方が効果的かもしれない。身長189cmの吉田と188cmの冨安。うまく機能すれば、スケール感でも国際的に見栄えのする長身センターバックコンビが誕生する。

 森保監督の起用と試合でのパフォーマンス。パナマ戦でロシアワールドカップ組とフレッシュなメンバーがどういった融合を見せるのか。それによって新チームの現在地を測る格好の相手であるウルグアイとの一戦に臨む先発メンバーも固まってくるはずだ。

(取材・文:河治良幸)

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